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2020年4月30日 (木)

ささやかな奇跡の連鎖

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 西宮北口から宝塚まで8駅、片道わずか15分の阪急電鉄今津線。こんなミニ路線にも、さまざまな人生が乗り合い、交差し、日々ドラマが生まれている。ここを舞台にした有川浩のベストセラー小説「阪急電車」(幻冬舎、幻冬舎文庫)を原作に、三宅喜重監督によって映画化されたのが『阪急電車 片道15分の奇跡』です。

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 ありふれた日常のかげで、人はみんな何らかの問題を抱えて生きている。そんな老若男女がいつもと変わらない顔をして乗り合わせているから、ローカル線っておもしろいのだ。繁華街の雑踏ほど見知らぬ無関心でもない。そうかといって同じ町内ほど窮屈でもない。絶妙な距離感の人間関係が、ある日ちょっとした親切をキッカケに幸せな変化につながっていく。線路がつながるように。

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 小さな出会いが人生を前向きに変えていく。自分の中で起こったささやかな奇跡を、そのやさしい気持ちを、また次の人に。幸せの連鎖を爽やかに描いた群像劇です。中谷美紀、宮本信子、戸田恵梨香、南果歩、有村架純、芦田愛菜などが演じた、ほのぼのとした愛おしいキャラクターたち。岡田恵和の脚本もいい。

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 慣れ親しんだ阪急電車や沿線の風景。そのせいか映画を観ている感覚よりも、ありふれた日常の中で繰り広げられる人生模様の隣に寄り添っている感じが強い。じんわりと心にしみていくサプリメントかな。ヒーローのようにカッコいい宮本信子演じるおばあさん、こんな人が身近にいてほしい思える、2011年の作品です。

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