« 37 Seconds を観ましょう | トップページ | 人間イニエスタに迫る »

2020年4月24日 (金)

BIG FISH 幻想と現実

   Photo_20200418133501
 『ビッグフィッシュ』はティム・バートン監督の2003年のファンタジー映画。原作はダニエル・ウォレスのベストセラー『ビッグフィッシュ ― 父と息子のものがたり』(小梨直訳、河出書房新社)です。父の回想場面で若き主人公をユアン・マクレガーが、そして現実の年老いた主人公をアルバート・フィニーが演じる。独特な世界観の中で繰り広げられる、おとぎ話のような父と息子の断絶と和解の物語。

Photo_20200418133502

 魔女、巨人、夢の街、銀行強盗、池の怪魚・・・楽しいホラ話でみんなを楽しませる父と、そんないい加減な父が大嫌いな息子。父の若き日の冒険談には、ティム・バートンらしい華やかで奇妙な登場人物がいっぱいあらわれる。それに対して死にゆく老父の現実は、鼻にチューブを差し込まれベッドで寝たきりの日々。この交互に現れる幻想と現実の対比がお話を際立たせる。

   Photo_20200418133602

 ビッグフィッシュにはホラ話という意味もあるそうだ。日本でも釣り逃がした魚は大きい、と言いいますよね。そもそもホラ話は物語の原点だと思う。旧約聖書も古事記も、現実にはあり得んでしょ、と呆れるほど大盛りに盛ってある。でないと読んでもらえない。そして父のホラ話は決して自慢話ではない。自分を良く見せるより他人を楽しませるため。何事にも前向きに生きる楽観主義とサービス精神からきている。だから聞いた人々も大喜びする。悪意がないからだ。

Photo_20200418133701

 おかしくて、悲しくて、切なくて、痛快な物語は、感動的な決幕を迎える。涙ではなく拍手喝采の感動。でもファンタジーがお好きじゃない方にはツッコミどころ満載だと思います。ご都合主義か、祝福されたフィナーレか、評価の分かれるところでしょうが、私は好きです。後日談もとても気が利いている。父を理解した息子、やがて生まれた子どもに接する態度がどこか父に似ている。上手い!

|

« 37 Seconds を観ましょう | トップページ | 人間イニエスタに迫る »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 37 Seconds を観ましょう | トップページ | 人間イニエスタに迫る »