« 未だ見ぬ建築家たちの夢 | トップページ | 「薪を焚く」は名著だ »

2020年3月 5日 (木)

「1917」サイコーです

   1917

 サム・メンデス監督『1917 命をかけた伝令』。第一次世界大戦のフランス西部戦線を舞台に、若き二人のイギリス兵の「1日」を全編ワンカット(に見える)映像で描く。ロジャー・ディーキンス撮影の究極の映像美。こんなすさまじいノンストップ体験は初めてです。アカデミーの撮影賞と視覚効果賞を受賞したのも当然だ。 

Photo_20200229182901

 ワンカットかどうか、どこでうまくつないでるかなど些細なことは忘れ、いつしか主人公になった気分。ハラハラドキドキ、緊張が途切れることなく2時間が過ぎた。終わってしばらくは立ち上がれないほど、ぐったり心地よい脱力感。こんなに集中したのはいつ以来だろう。戦争映画には違いないけれど、深い人間ドラマにも感動です。

Photo_20200229182902

 塹壕や廃墟。抑えた色のトーン。これらはヨーロッパの光と色だ。泥水や死体のニオイ。どろりとした血の触感すら伝わってくる圧巻の臨場感。皮膚感覚にまで訴えてくる映像ってあるのだ、と思い知らされる。しかも決してグロテスクではない。SFXも駆使しているはずだけど、まったくハイテク技術を感じさせない。その自然さこそ、壮大なお話に引き込む源泉なのでしょう。
 
Photo_20200229182903

 銃弾が飛び交う戦場の最前線。ヒリヒリする緊張感の中で一ヶ所だけホッとするシーンがありました。白い桜の花びらが舞い散るシーン。しかし主人公は狙撃兵に撃たれて急流を流されている。命の危機に直面しているのに、ホッとしていたら不謹慎かもしれません。が、これも演出の妙。その一瞬後にはゾッとさせられるのだから。

Photo_20200229182904

 戦争の無慈悲さ容赦なさ。軍隊あるいは命令系統の理不尽さ。過酷な状況であればあるほど、友情や家族の絆の大切さが浮かび上がる。人間の献身的な振る舞いや勇気ある行動が感動を生む。メンデス監督の力量に参りました。すべてを越えて、圧倒される2時間。体験してみる価値はあると思います。サイコー!

|

« 未だ見ぬ建築家たちの夢 | トップページ | 「薪を焚く」は名著だ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 未だ見ぬ建築家たちの夢 | トップページ | 「薪を焚く」は名著だ »