ゴッホの成り立ち
1853年、オランダ南部の牧師の家に生まれたフィンセント・ファン・ゴッホ。1880年、27歳にして画家を志す。1882年ハーグ → 1886年パリ → 1888年アルル →1889年 サン=レミ。そして1890年、37歳にして死去。こう書くと、このわずかな間に数々の傑作を残したのだとあらためて驚きます。しかも我々がよく知っている作品のほとんどは、アルル以降の3年足らずで描いたもの。
オランダ時代はハーグ派の影響を受け、身近な風景や貧しい農民の姿を描いた暗い色調の絵を描く。印象派の洗礼を受け、鮮やかな色遣いを学んだパリ時代には、浮世絵の収集と模写に励む。このころまでは、まだゴッホ以前の時代。そしてゴッホが真にゴッホになるのは、アルルの明るい太陽に出会ってから。イエスがキリストになるごとく、南仏の自然に啓示を受けたのだ。
この展覧会は、初期のハーグ時代と最後のサン=レミ時代の作品が充実している。それが特徴。ゴッホは特に日本人の好きな画家なので展覧会は数多く開催される。そんななか、ちょっと目新しい視点でまとめたこの『ゴッホ展』。話題になりそうな目玉は何?という展覧会が多いなかで、真面目に画家フィンセント・ファン・ゴッホの成り立ちに取り組んだ姿勢に好感が持てました。
ゴッホ展
2020年1月25日(土)~3月29日(日)
兵庫県立美術館
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