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2020年2月 8日 (土)

ゴッホ、修行と先取りと

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 わずか10年の活動で、約850点もの油彩画を描いたゴッホ。短い時間での多作ぶりもスゴイが、短い期間での作風の変貌ぶりもスゴイ。初期はハーグ派の影響を受けて、茶色やグレーを基調にした地味な色合いで田園風景や貧しい農民の生活を描いている。バルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーに触発された作品も多い。今回25点見られる修行時代の作品は、ちっともゴッホらしくないけれど、世界の見方を形作る背骨になっているのでしょう。

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 一方、死の前年に描いたこの松の絵はセザンヌを思わせる。20世紀絵画を先取りした作品だ。構図はゴッホが愛した浮世絵の影響でしょう。ゴッホ以前とゴッホ以後に続く道。誰もが見知っている「これぞゴッホ」のアルル時代、それらの作品以外、いわば「らしくないゴッホ」が充実しているのが、この展覧会の特徴。このところ毎年のように開催されっるゴッホ展とは違いがそこにある。

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 ゴッホの40数点に、彼に影響を与えたハーグ派や印象派の画家の作品を合わせて80数点。クレラー=ミュラー美術館やハーグ美術館のほかにモナコ王宮コレクションやP.&N.デ・ブール財団、イスラエル博物館やワシントン・ナショナル・ギャラリーなどが所蔵する、目にすることが少ない作品が集められている。この展覧会を見た感想は「らしくない」作品も含めてゴッホの真実の姿だということ。変貌を恐れず進化し続ける精神こそがゴッホなのだ。

ゴッホ展
2020年1月25日(土)~3月29日(日)
兵庫県立美術館

 

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