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2020年2月28日 (金)

実現しなかった建築

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 国立国際美術館で開催されている『インポッシブル・アーキテクチャー』という展覧会が、予想していたよりもはるかにおもしろい。建築というのは建築家の提案に対してクライアントがOKと言ってお金を出して初めて実現する。いくら素晴らしいプランであっても、クライアントの無理解や予算の制約で実現しなかったものも数多い。むしろそんな世に出なかったアイデアのほうが良く思えることも。

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 画家が勝手に好きな絵を自由に描くのとは違って、建築家はコンペに参加するのが一般的だ。そして一つの決定案の陰にはいくつもの不採用案がある。おもしろくない案、クライアントの狙いを否定する案、予算におさまらない案。それらは当然として、選考者の許容度を越えた案も不採用。アイデアが時代から進み過ぎていてもダメなのだ。それを理解できる人がいない、という悲劇が起きる。

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 それを逆手にとって、時の権力者や社会の常識に挑戦状をたたきつける建築家もいる。コンペの負けを覚悟で自分の建築哲学を提示し、世の中の啓蒙を図ろうとするのだ。その過激な革新性で歴史に残った建築プランや都市計画案。死屍累々、たくさんの墓標に見えながら、じつは後世に多大な貢献をしていることがわかる。現代の眼から見れば、という話ですが。

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 そして今回の展覧会で新たな発見は、最初から実現性など考えない建築案がたくさんあったということ。実現性を考えない建築? そんなのありえない、と思われるでしょう。でも20世紀以降の国内外のアンビルト建築を、模型や設計図やドローイングで振り返るこの展覧会ではたくさん展示されているのです。不可能な夢物語と思えるプランが、何十年か後にはもてはやされるかもしれません。

IMPOSSIBLE ARCHITECTURE
インポッシブル アーキテクチャー
2020年1月7日(火)~3月15日(日)
国立国際美術館
 

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