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2020年1月

2020年1月30日 (木)

キャッツを実写で作る時代

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 ウエスト・エンドの初演からもうすぐ40年。世界でロングランを続けた超人気ミュージカル、『キャッツ』。ノーベル文学賞を受賞した20世紀を代表する詩人、T.S.エリオットの『キャッツ ― ポッサムおじさんの猫とつき合う法』が原作です。ミュージカルとしては大傑作なのですが、映画については批判と反発の嵐。そりゃまたどういうこと?

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 『レ・ミゼラブル』のトム・フーパ―監督によって実写映画化されました。アメリカで昨年公開されるやいなや、「気持ち悪い」とか「ホラーだ」とか、さんざんな評価です。それは最新の映像技術がスゴすぎることによるのだと思う。ユーモアあふれる猫ファンタジーが、リアルな猫人間物語になってしまったから。人形がリアルになるほど不気味に感じる感覚に近いかも。

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 ミュージカルの舞台では、着ぐるみ的キャラが歌ったり踊ったりする。いろんな個性豊かな猫に、「そんな人いるいる」と似た人間を思い浮かべて、笑ったりハラハラしたり。それに対して映画ではCG技術で毛並みをつけられた出演者たちが、きわめて自然で生々しい。この距離感に戸惑いを隠せない評論家もいるでしょう。拒絶反応を起こす観客もきっといるでしょう。

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 でも映画人なら想像上のイメージをできるだけリアルに映像化しようと考えるのは当然だ。ペットとして生きている猫とは別種の生き物『ジェリクルキャット』の物語と受け取られてもいいじゃないか、と。もともと猫が歌ったり踊ったりする不自然を、「作り話ですよ」という舞台の設えで許していたのに、一線を越えてしまった? この違和感は理屈じゃない。生理的な嫌悪からくるものだと思う。

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 jewelryとmiracleからエリオットが考えたと言われる造語『ジェリクル キャッツ Jellickle cats』。その世界観をトム・フーパ―監督はうまく表現していると思います。『キャッツ』のことを書いて作者・作曲家のアンドリュー・ロイド=ウェバーに触れないわけにはいかないでしょう。『ジーザス・クライスト・スーパースター』、『エビータ』、『オペラ座の怪人』など歴史に残るミュージカルの傑作をありがとう。舞台、映画の別なく、あなたの素晴らしい音楽は永遠です。

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2020年1月27日 (月)

日本が誇る竹工芸アート

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 竹を素材とする工芸と言えば、カゴやザルを思い浮かべますね。建築資材としてもよく利用されていました。どこにでもあって手に入れやすい材料。しかも軽い、曲げやすい、しなやかな強さがある、といった特徴が生かされ技術もデザインも高度に発展。ところがプラスチックが世に現れると、あっという間に使われなくなり、身近な生活から姿を消していく。その結果、竹林は荒れ放題。山の環境も破壊されるようになってきた。役立つ資源が、厄介者に。

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 東洋陶磁美術館で開かれている「竹工芸名品展」が素晴らしい。アビー・コレクションからセレクトされた近現代の名品75点。2017年から18年にかけてメトロポリタン美術館で開催された『 Japanese Bamboo Art : The Abbey Collection 』をもとに再構成した展覧会だそうだ。竹の文化が根付いた大阪の地で、ダイアン&アーサー・アビー夫妻が収集した世界屈指のコレクションが鑑賞できるとは。日本人作家の技量、美意識、革新性に誇りを感じます。

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 ちょっと残念なのは、その魅力の発見者は海外の人だったということ。いつものことながら逆輸入というカタチでしかその良さがわからない、気付かない私たち。もう少し見る目を養い、素直に良いものは良いと評価できるようになりたいものです。今回の展覧会を観て心強く感じたのは、いまも伝統の技術を継承し進化させている作家さんがいるということ。まだまだ希望があります。私たちも竹製品を暮らしに取り入れる美学を持ちましょう。

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 プラスチックなどの工業製品に比べて高価すぎる竹。だからといって消えてしまうには惜しい魅力と技術です。その意味で近年アートの素材として竹が見直されてきたのは、とても良いことだ。竹ならではの軽やかな造形表現が、金属や石や木とは違う新たな味と魅力を生み出す。極めて細かい精緻な細工から巨大なインスタレーションまで。柔軟な竹を活かす文化は、漆と並んで日本の誇り。いつまでも続くことを願います。

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竹工芸名品展
ニューヨークのアビー・コレクション
メトロポリタン美術館 所蔵
2019年12月21日(土)~2020年4月12日(日)
大阪市立東洋陶器美術館

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2020年1月24日 (金)

10歳が見つめた偏見

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 第二次世界大戦下のドイツが舞台。という前触れで見に行ったら、いきなりビートルズの『抱きしめたい』(ドイツ語バージョン)が鳴り響いて驚いた。タイカ・ワイティティ監督は天才だ。この一発で観客の心を鷲づかみにするのだから。主人公は10歳の少年、いやまだ少年にもなっていないガキンチョだ。未熟で無知で弱虫で、そのくせ勇敢な兵士になりたいと夢想する。感じやすい、感化されやすい子供にとって疑う余地はない。ま、そんな時代だったのですね。

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 きっとわが日本にもこんな純粋無垢な軍国少年がたくさんいたのだと思います。この10歳が見た戦時下の生活を、映画『ジョジョ・ラビット』は描く。子どもから見ると優しく勇敢な母親も、少年少女にナチス的教育を指揮するヒトラーユーゲントの隊長も、わからないことだらけだ。彼に寄り添い親身になってアドバイスをくれる(空想の中の)友人は、なんとアドルフ・ヒトラー。笑えるでしょ! 演じているのは監督のタイカ・ワイティティ。才人です。

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 困ったことに、時代にマインドコントロールされた彼が、ふとしたことでユダヤ人の少女に出会ってしまう。得体のしれない最悪の敵? はてさて、彼はどう折り合いをつけるのか。自分の眼で認め、自身の頭で考え、少しずつユダヤ人に対する偏見から解放されていくジョジョ。しかし社会の同一性から逸脱する危険も同時に知っていく。成長と勇気。愛と哀しみ。これらの微妙な感情をみずみずしく演じたローマン・グリフィン・デイビスが素晴らしい。未熟で無知なガキンチョ、などと失礼いたしました。

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 1975年ニュージーランド生まれの監督は重くなりがちなテーマを明るくコミカルに描いている。見事なヒューマンエンターテインメント。ナチスや、戦争や、人種差別を、シリアスに描くだけではうまく伝わらないと考えたのではないでしょうか。時代の熱狂。集団的な狂気。「偏見は作られたもの。憎しみより、愛を」。 世界で再び人種差別やヘイトスピーチを叫ぶ勢力が増えつつある現代だからこそ生まれた映画であり、深く伝わるメッセージだと思います。 

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2020年1月21日 (火)

知的探求から実利の開発へ

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 はるかかなたの宇宙の果て。はるか昔の宇宙の起源。それらを知りたいと願う欲求は、人間が本能的に持つ好奇心でしょうか。あの山の向こうには何があるのだろう?あの雲の上はどうなっているのだろう?と思う気持ちの延長から、科学が生まれ、天文学が生まれ、ついに地球外の天体に一歩をしるす。1969年、アポロ11号のニール・アームストロング船長が月面につけた足跡の写真が、『138億光年 宇宙の旅』会場の床に展示してありました。安全のためか、宇宙服のブーツはデカい!
 
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 あれから半世紀。宇宙は知的探求の対象から、実利的なフィールドへ変質。ロマン主義からリアリズムへ。資源開発や軍事的利用、はたまた人類の移住の可能性まで視野にとらえるようになりました。たしかに火星の写真の数々を見ていると、水もあるから極地に氷が張っている。風も吹いて砂漠のような風紋ができている。つまり空気があるということ。これまた人間の本能として、領土争いや開発競争が勃発しても不思議はない。人類が学習してきた理性で、なんとか公正なルールを打ち立ててもらいたいものです。火星まで乱開発や戦争で住めなくなるのはゴメンだ。

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 2012年6月、太陽観測衛星SDOが撮影した美しい写真。燃え盛る太陽の前をシルエットに見える金星が通過していく様子です。6時間ほどの動きを撮った画像を合成したものだという。金星の太陽面通過は珍しい現象で、次に起きるのは2117年。こんな話を聞くと、やっぱり宇宙ってロマンだと思いませんか。遠い遠い宇宙もあれば、ご近所の月や惑星の太陽系もある。遠くの憧れである限りは美しく神秘的。手が届くようになれば利害が絡んで争いの元。人間の欲望は宇宙まで呑み込んでしまうのでしょうか。恐ろしい。

138億光年 宇宙の旅
― 驚異の美しさで迫る宇宙観測のフロンティア ―
2019年12月21日(土)~2020年2月2日(日)
明石市立文化博物館

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2020年1月18日 (土)

あの日から25年

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 阪神・淡路大震災から25年が経ちました。人それぞれの思いが詰まった四半世紀。つい昨日のことのように鮮明に残る記憶と、少しずつ少しずつ薄れていく危機意識。神戸では震災を知らない若い人たちが2割を超えたそうだ。三宮の東遊園地で今年も追悼行事が行われました。竹灯籠を約5,000本灯して「きざむ  1.17」の文字を浮かび上がらせた。

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    死者            6,434人
    行方不明者         3人
    重軽傷者          43,792人

    家屋全壊        104,906棟
    家屋半壊        144,274棟
    一部損壊        390,506棟

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 「慰霊と復興のモニュメント」地下の壁面に並ぶ亡き人たちの名前と千羽鶴。鮮やかな黄色の「シンサイミライノハナ」に書かれた無数のメッセージ。激しい揺れで倒れた「マリーナ像」が抱いていた時計は、永遠にその時を示す。そして「1.17 希望の灯り」に刻まれた言葉が、いつまでも心に残るよう祈ります。

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         1.17 希望の灯り

         1995年1月17日午前5時46分
         阪神淡路大震災

    震災が奪ったもの
    命 仕事 団欒 街並み 思い出
 
     ・・・たった1秒先が予知出来ない人間の限界・・・

    震災が残してくれたもの
    やさしさ 思いやり 絆 仲間

    この灯りは
    奪われた
    すべてのいのちと
    生き残った
    わたしたちの想いを
    むすぶつなぐ

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2020年1月15日 (水)

138億光年をめざす旅

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 太古の昔から天は憧れに満ちたところだった。宗教的な意味合いでも、ロマンの対象としても。それがサイエンスの発展によって、少しずつ興味のポイントが変わってきました。たとえば、宇宙に果てはあるのか? 地球以外の天体に生命はいるのか? NASAアメリカ航空宇宙局が誕生して60年余り。いま明石の市立文化博物館で『138億年 宇宙の旅』という展覧会が開かれている。

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 NASAの活動によって得られた画像を中心に、117点の写真パネルを展示。ー驚異の美しさで迫る宇宙観測のパイオニアー とサブタイトルにあるように、地球や太陽の成り立ちや銀河や宇宙の探求のためにつぎ込まれた最先端の理論と技術の成果です。日の出ならぬ、地球の出。燃えさかる太陽。逆光で見る土星の環。冥王星の平原。視点が変わると、想像を絶するものが見えてくる。

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 アポロ計画、スペースシャトル計画、宇宙ステーション計画。ボイジャーやカッシーニ惑星探査機、さまざまな観測衛星。そしてハッブル宇宙望遠鏡。ガリレオが自作の望遠鏡で木星の衛星を発見してから400年。人類はずいぶん遠くまで見通せるようになったものだ。そしていまも宇宙は膨張を続けている。現在私たちが見ている遠くの星雲は100億年以上前の姿だなんて、頭がクラクラする。

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 つい先日までは宇宙空間は何もなく、死と闇の世界だ、と思われていた。それが、どうだ。この圧倒的な美しさ。とどまることなく変化し続ける躍動美。星も銀河も星雲も、まるで生命があるかのように寿命が来たら消滅し、また新たに誕生する。宇宙生成の謎はいまだ謎のままだが、リアルでビューティフルな存在として私たちを魅了し続ける。ますます加速する科学技術の進歩に期待しましょう。

138億光年 宇宙の旅
ー 驚異の美しさで迫る宇宙観測のフロンティア ー
2019年12月21日(土)~2020年2月2日(日)
明石市立文化博物館
 

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2020年1月12日 (日)

天才で、ならず者で

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 あべのハルカス美術館までカラヴァッジョ展を観に行ってきました。ルネサンスの巨匠たちの後にあらわれ、バロック美術の幕開けを告げる変革者となったが、38歳の若さで熱病のため亡くなった画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。ヨーロッパの絵画史を変えた天才と、その影響を大きく受けた同時代および後世の追随者「カラヴァジェスキ」たちが描いた計40作品が展示されている。

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 いま目の前で起きている事件の決定的瞬間を見ているような、迫真の描写力。生々しいほどリアルです。眼をそむけたくなるほどグロテスクです。光と闇の強烈なコントラスト。ドラマチックな瞬間を強調する表現。まだ写真や映画がない時代、彼の作品を初めて目にした人々の驚きと熱狂はすさまじかったに違いない。またたく間にヨーロッパ中にカラヴァッジョ様式が広まったのも当然だ。

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 しかし生来の激しい気性から周囲との争いや暴力沙汰を引き起こす。そしてついにローマで殺人を犯し、逃亡。しかも逃亡先のナポリで、シチリアで、マルタ島で、次々と傑作を残す。酔っぱらっては喧嘩を繰り返す無頼の徒が、こんなにも感動的な絵を描くなんて。天才と人間性はまったく別次元の話ということか。現代でも有名なアーティストやスポーツ選手に、つい立派な人格者を期待してしまいがちですが。それはどうなのでしょうか?

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 バロックとは「ゆがんだ真珠」をあらわすポルトガル語から来たそうだ。明と暗の極端な対比。意図的にバランスを崩した構図。物語性を狙った斬新な演出。ある見方からすると品位に欠けるいびつな表現とも言えるでしょう。しかしカラヴァッジョはそれまでの堅苦しい規範を打ち破り、後の作家たちにより自由に個性を発揮する道筋を与えたのです。そして西洋美術はベラスケス、ルーベンス、レンブラントたちが活躍する絵画の黄金時代を迎えることになりました。

カラヴァッジョ展
2019年12月26日(木)~2020年2月16日(日)
あべのハルカス美術館

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2020年1月 9日 (木)

若冲の西陣織に驚いた

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 錦小路の青物問屋の旦那から40歳にして画業に入った、奇想の画家。人間技とは思えない超絶技巧で描写された緻密な表現で、近年その評価が著しく高まった伊藤若冲。日本の絵師では葛飾北斎と並ぶ人気を誇っています。彼の名作『動植采絵』三十幅と『釈迦三尊像』などを西陣織で再現した展覧会が、兵庫県立美術館 王子分館 原田の森ギャラリーで開催されている。

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 京都・相国寺に伝わる『釈迦三尊像』と、相国寺から明治22年に皇室に献上され三の丸尚蔵館が所蔵する『動植采絵』。2007年に相国寺の承天閣美術館で開かれた大展覧会で観て、圧倒された思い出がある。雨降りの平日にもかかわらず2時間待ち。全国から観客が訪れていた。その三十幅と三幅の作品を、髪の毛半分ほどの細い糸で織って作品に。どんな出来栄えか興味があります。

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 若冲が得意とするさまざまな色の鶏をはじめ、鶴や孔雀、雁や鴛鴦、魚や貝まで、チョー精密に、チョー写実的に製作されている。タテ 2,700本、ヨコ 15,000本もの糸を使って再現。さすが西陣!こちらも超絶職人技だ。ただし背景は単色ではなくさまざまな色の糸を合わせてつくっているので、見る角度によっては虹色っぽく光っている。これも織物だからこその良い質感かもしれない。また、澤田瞳子さんの『若冲』(文春文庫)もおもしろいので読んでみてください。

西陣美術織
若冲 動植采絵展
2020年1月7日(火)~1月13日(月祝)
兵庫県立美術館 王子分館
原田の森ギャラリー

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2020年1月 6日 (月)

寅さんは永遠に

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 日本映画を代表するキャラクターと言えば、1969年に始まった『男はつらいよ』シリーズの寅さん。しかし主演の渥美清さんが亡くなってもう20数年、歴史の彼方にしまい込まれようとしていました。それがまさかの新作。50周年で50本目、久しぶりに製作されたのが『男はつらいよ 50 お帰り 寅さん』です。いわば総集編。

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 過去の作品を4Kデジタル修復した映像と、新たに撮影された映像が違和感なくうまく使われている。目覚ましい映像技術の進歩があったからこそ可能になった作品です。ただし、新しく渥美さんを撮影することはできないので、吉岡秀隆さん演じる満男の物語になっている。登場するのは母・さくら、父・博などおなじみの面々に、なんと初恋の人・イズミちゃん。おまけにリリーまで出てくる大サービス。

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 思い出や幻として出てくる寅さん以外は、当然ながら年を取っている。倍賞千恵子さんも前田吟さんも後藤久美子さんも浅丘ルリ子さんも。くるまやの座敷に上がるところに手すりがついているところなど、芸が細かい。しみじみと歳月が感じられます。人は亡くなっても思い出は残る。しかも思い出の中では年を取らない。寅さんはいつまでも寅さんで、寅ジイにはならないのだ。

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 「困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。おじさん、どっからでも飛んできてやるから」。破天荒で騒々しいけど心優しいおじさんは、満男だけのヒーローではない。寅さんは永遠に私たちのそばにいるのだ。「生まれてきてよかったと思うことが、そのうちあるさ」と励ましてくれる声が、悩み多く生きづらい今の時代によけいに深く響く。

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 山田洋次監督は生みの親として『男はつらいよ』を完結させる責任があると考えていたに違いない。渥美さんの死によって停まっていたけれど、ようやく決着がついたというところでしょう。よくある言い方をすれば、これで寅さんも安心して成仏できる。そして日本人の記憶の中で永遠に生き続ける。必要とする人がいる限り。

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2020年1月 3日 (金)

ヴィッセルに新しい歴史

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 2020年1月1日、ヴィッセル神戸の新しい歴史が始まった! 思い起こせば、クラブが創設された25年前、その練習初日の早朝に阪神・淡路大震災が発生した。練習場も被災し、スポンサー企業も撤退する苦難の船出だったのだ。J2に二度も降格したり、クラブ経営破綻の危機に直面したり。それらに対するサポーターの想いが、スタジアムで合唱する『神戸讃歌』に込められている。『愛の讃歌』の替え歌だから歌いやすいですよ。

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    俺達のこの街に お前が生まれたあの日
    どんなことがあっても 忘れはしない
    共に傷つき 共に立ち上がり
    これからもずっと歩んでゆこう
    美しき港町 俺達は守りたい
    命ある限り 神戸を愛したい

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 そんなヴィッセルが元旦に令和初の天皇杯優勝! しかも新国立競技場のこけら落としの試合。まるでマンガみたいです。ヴィジャ、イニエスタ、ポドルスキのVIPトリオだけじゃない。山口蛍、酒井高徳、古橋享悟、そしてこの日のヒーロー藤本憲明。サンペールにフェルマーレンに西に大崎にダンクレーにGKの飯倉も、みんなこの1~2年に加入した選手たち。それを今シーズン3人目になるトルステン・フィンク監督がまとめ上げ、やっとここまでたどり着いた。新年早々うれしさがはじけました。

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 お金をかけたチーム作りに対して、日本では批判もありますが、それは大間違い。ビッグクラブと呼ばれる世界トップの強豪クラブは、お金をかけてチームを強くし、ファンに愛される。その結果として収益をさらに上げる。プロスポーツ経営の常識です。その資金力で戦力を補強し、施設を整え、育成組織をレベルアップし、ますます魅力的なクラブになっていく好循環。ヴィッセル神戸がこのサイクルのモデルケースになれば素晴らしいと思います。

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 天皇杯タイトルの獲得。これがヴィッセル神戸だけではなく、日本サッカー界にとって新たな歴史のスタートになれば最高です。イニエスタを見たい観客が増えて、神戸以外のチームのチケット売り上げも伸びたというデータもある。これからヴィッセルが先頭に立ってJリーグがもっと盛り上がり、日本のサッカーがもっともっと強くなることを祈っています。ありがとう、イニエスタ。ありがとう、三木谷さん。DAZNの放映料がたっぷり入るようになったので、きっとほかのJクラブも変わってくれるでしょう。今年は期待の年!

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2020年1月 1日 (水)

2020 子年 新春を迎えて

     スカイウォーカー家の物語は終わったけれど
     寅さんは帰ってきました。
     百年に一度の熱波や洪水が
     当たり前になりつつある時代だからこそ、
     希望を語りたい。
     良き年になりますように。
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          今年もよろしくお願いいたします。
          あ、それから今年は年男なのです、はい。

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