実録!奇跡のテノール
Time to Say Goodbye を世界的に大ヒットさせたテノール、アンドレア・ボチェッリ。神の声を持つといわれるまでになった盲目の歌手が自ら執筆した自伝『The Music of Silence』に基づく映画『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』が素晴らしい。イタリア語の原題は『la Musica del Silenzio』、そのままですね。盲目という大きなハンディを克服して世界のスターになるまでには、私たちに理解できない闘いがあったはず。それにあのズッケロも出演していますよ。
この映画の監督は名作『イル・ポスティーノ』のマイケル・ラドフォード。駄作であるはずがない。最後は成功するとわかっているのに、つい応援していました。心が揺さぶられる感動物語です。最映画の中でボチェッリ本人が熱唱する(吹き替えです)歌には圧倒されます。「乾杯の歌」(『椿姫』より)、「星は光りぬ」(『トスカ』より)、「誰も寝てはならぬ」(『トゥーランドット』より)などなど。圧巻の歌唱に涙が出ます。人を感動させるとは、こういうものなんだ。
映画を見て思うのは、周りの人たちにも恵まれていた、ということ。両親をはじめ、叔父さんや親戚、友人や恋人、学校の先生や歌のマエストロ。苦悩の中でも希望を失わずに前進できたのは、あたたかいサポートがあったからこそ。アンドレアに限らず、誰でもみんなに支えられて生きている。この映画は特別な才能を持った人の物語には違いないけれど、一人だけでは生きられないという事実は普遍的だと思う。改めて世界に感謝したいと感じました。
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