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2019年10月16日 (水)

バウハウスが100周年

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 これはBauhaus!展の入場チケットです。若いころは(はるか遠い昔ですが)先輩デザイナーが発する「バウハウス」という音の響きだけでも、うっとりするほど神々しい存在でした。1919年、グロピウスによってヴァイマールに開校されてから100年。ナチスの弾圧を受けて1933年に閉鎖されるまで、わずか14年と短い活動期間でしたが、後世のアートやデザイン界に多大な影響を与えた造形学校です。いわばモダニズム建築やモダンデザインの偉大な神殿のようなもの。合理主義的、機能主義的な美の世界。

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 100周年のいま、この実験精神に満ち溢れた伝説的な教育機関を見直し、ユニークな授業内容や作品を紹介する展覧会が『きたれ、バウハウス』。西宮の大谷記念美術館で開催中です。建築、金属、陶器、織物、家具、印刷、広告、舞台美術など様々な分野での成果や資料など約300点を展示。教師陣の顔ぶれがスゴイ。グロピウス、ミース・ファン・デル・ローエ、パウル・クレー、カンディンスキー、モンドリアン、マルセル・ブロイヤー・・・名前を聞いただけでワクワクする。時代を代表する芸術家が指導していたのです。

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 時代を代表する芸術家が指導する革新的な授業の一部を体験できるのがおもしろい。色分けされたプレートを回したらどんな色に見えるかを体験する「回転混色」、光線の色とそれにより生じる影の色の関係を体験する「色の影」、円と正方形と1/4円の3つを要素にしてアルファベットや数字を作る「組み合わせ文字」などなど。頭で考えるだけではなく、実際に見て触れて手を動かして、五感をフル活用する教育。アカデミーで絵画を習うか、親方について修業するしかなかった時代に画期的です。

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 優れたデザイナーや建築家を輩出したバウハウスですが、ポストモダン、ポストポストモダンなどの流れを経て、いつしかカビが生えかけたレトロな趣になってしまいました。でも改めて展覧会を見てみると、永遠に新しいと感じる。それは学校の基本方針である、想像力を刺激し創造性を引き出す、という理念。伝統からも社会常識からも自由に、より美しいもの、より良いものを目指す姿勢。これからどんなに時代が変わっても、バウハウス流のモダニズムはひとつの指針として美の底流にずっと続いていくことでしょう。

きたれ、バウハウス
造形教育の基礎 開校100年
2019年10月12日(土)~12月1日(日)
西宮市大谷記念美術館

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