フィンランドの陶芸って?
フィンランド陶芸と聞いても、さっぱりイメージがわかない。それが大多数の人たちの共通認識でしょう。いま中之島の東洋陶磁美術館で開催されている「フィンランド陶芸」展の情報を知ったとき、正直なところ「?」が第一印象。でも観に行ったらクオリティの高さに驚きました。この展覧会は日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念して企画されたそうです。
19世紀末からの英国ウイリアム・モリスが主導したアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けて、フィンランドで工芸教育の基礎が築かれたという。そして1932年に設立されたアラビア製陶所が、その発展に大きな役割を果たしました。アラビア社では設備の整った環境で作家が自由に創作活動に励むことが認められ、数々の傑作が生まれる土壌となった。いやぁスゴイというか羨ましいというか、日本では考えられないことです。
自然の色やカタチにインスピレーションを受けて制作したり、優れたデザインの伝統を持っていたり、アジアの日本人と北欧のフィンランド人は似た文化的素養があるようです。表現にどこか親近感を感じる。陶器で作った彫刻『陶彫』で有名なミハエル・シルキンや、色彩豊かで造形的な作品で人気を博したビルゲル・カイピアイネン、物語性がある陶板で知られるルート・ブリュックなど、才能あふれる多くのアーティストが、芸術作品作りと実用的な商品づくりに活躍した。
ここで観られる約130点の作品は、フィンランド陶芸が決してヨーロッパ辺境のローカル美術じゃおさまらない豊かな表現力を持つことを雄弁に示している。森と湖とムーミンの国。だけではない魅力を示してくれた展覧会です。またこの展覧会と並行して同じフィンランドのマリメッコの展覧会も開催されている。そのレポートはまた後日に開示しますので、ヨロシクお願いいたします。
フィンランド陶芸
芸術家たちのユートピア
2019年7月13日(土)~10月14日(月・祝)
大阪市立東洋陶磁美術館
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コメント
ムーミン好きなけいママだから、フィンランドのアラビア社の陶器はよく知ってるんだと思ってました。
ムーミンカップだけじゃない、面白い世界が見られそうですね!
投稿: メイ | 2019年7月30日 (火) 00時22分
コメントありがとうございます。
そうなのです、アラビアのお皿やムーミンのマグシリーズは使っているけど、美術部門があってこんな素敵なアート陶芸作品を作っていたなんて。
知りませんでした。驚きです!
投稿: | 2019年8月 2日 (金) 10時23分