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2019年7月21日 (日)

コロンブス交換とグローバリズム

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 トウモロコシってたしか中南米原産だったよねぇ、と先日ブログを書くためにヤングコーンを調べていたとき知った言葉がコロンブス交換(Columbian Exchenge)です。アメリカの歴史学者アルフレッド・クロスビーが1972年に提唱した考え方。1492年にコロンブスがアメリカに到達したことをきっかけに世界は激変したことは、教科書でも習いました。トマトを使わないイタリア料理、ジャガイモがないドイツの食卓が想像できないほど彼らの血肉となっている食材や、ゴムの木やタバコがアメリカ大陸からもたらされたこと。そして馬や牛、羊や豚はそれまでは新大陸にいなかったこと。ヨーロッパ人もアフリカ人も、マラリアや高熱病の病原体までもが海を渡ったことなどをあらわす。

    1493

 そのコロンブス交換をテーマに、サイエンス・ライターのチャールズ・C・マンが膨大な資料と綿密な取材で描き出し、全米でベストセラーになったのが『1493ー世界を変えた大陸間の「交換」』(紀伊國屋書店)。とても興味はあるけど800ページ以上あるし、と思案していた時に見つけたのが、こちら。レベッカ・ステフォフがわかりやすくコンパクトにまとめてくれた『1493ーコロンブスからはじまるグローバル社会』(あすなろ書房)です。銀山の発見、単一作物を作るプランテーション、アフリカからの奴隷売買などが、人類の歴史や地球の生態系に与えた広範な影響が詳細に述べられている。

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 コロンブスの業績については近年特に批判的な見解が目立ちます。たしかに光と影の部分があり、アメリカ大陸側から見れば文化や生活スタイルの破壊など負の側面が強いかもしれません。それでも彼の航海がなければ、現在の世界はありえない。良くも悪くも世界は一つになった。グローバリゼーションの第一歩だったのです。1942年に新世界へ到達し、1493年に旧世界に帰還した地球史的な事件。それ以降の出来事の本質を的確にあらわすコロンブス交換という言葉は、世界の歴史を考える新しい視点を与えてくれました。ただし『交換』と言っても利益と損失が両大陸に公平に分配されたわけではないことを忘れてはならないでしょう。

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