印象派からその先へ 展
吉野石膏という会社をご存知ですか。名前の通り石膏ボードを作る建材メーカーです。防火壁のTV-CMをご覧になったことがあるかもしれません。その吉野石膏が1970年代から収集を始めたコレクションの展覧会です。意外と新しいコレクションですが、いまや日本有数の規模にまで成長。そのうち19世紀後半から20世紀にかけて描かれたフランス近代絵画を中心にした、28作家72作品の展覧会です。3つの章に分けて、西洋近代美術史がわかりやすく展示されている。
第1章は「印象派、誕生 ~革新へと向かう絵画~」 ここではコロー、ミレー、クールベ、マネ、モネ、シスレー、ルノワール、ドガ、ピサロなどの作品が展示されている。ゴッホのオランダ時代の絵も2点ありましたが、観る目がないのかヘタだなぁという印象。(失礼しました)
第2章は「フォーヴから抽象へ ~モダン・アートの諸相~」 ルオー、ボナール、マティス、ヴラマンク、アンリ・ルソー、ピカソ、ブラック、ミロ、カンディンスキーなど。現代の私たちから見れば、フツーに素晴らしい作品ばかりですが、100年前の人たちはほんとうに驚いたに違いない。ヒトラーから見れば、すべて退廃芸術。
第3章は「エコール・ド・パリ ~前衛と伝統のはざまで~」 たしかに美術史の上では進歩の流れの方向性からは、すこし外れる。でも進歩が必ずしも善とは限らない。というか、美術史というのは簡単に理論化できるものではないと思う。ユトリロやローランサンなどがこの章の展示作家ですが、ひときわ輝いているのがシャガールです。1910年頃から1979年の作品まで、なかなか充実しています。これら珠玉のコレクションを、一企業の努力で、しかも半世紀足らずで作り上げたた吉野石膏に感謝の気持ちいっぱいです。
世界に誇る 吉野石膏コレクション
印象派から その先へ
2019年6月1日(土)~7月21日(日)
兵庫県立美術館
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