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2019年6月 9日 (日)

F.L.ライトのディテール

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 芦屋の丘の上、ゆるやかな南斜面に建つヨドコウ迎賓館(旧山村家住宅)へ行ってきました。桜正宗の8代目 山邑太左衛門から依頼を受け、1918年にライトが設計した傑作住宅。弟子の遠藤新や南信によって竣工されたのは、ライトが帰国後の1924年のこと。「自然と建築の融合」という理想を追求し続けた巨匠の「らしさ」が詰まっている。

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 1階は車寄せと玄関。2階に市街地を眺望する応接室。3階は畳敷きの和室や寝室など。4階に食堂と厨房。そして広い屋上バルコニーからは六甲の山並みと大阪湾が一望できる。丘の自然な傾斜を生かした階層の配置。自然光をうまく取り入れ、風の通りを考え、快適に暮らすためのさまざまな工夫。その後の住宅建築に多大な影響を与えた。

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 このころのライトの建築は直線で構成された幾何学的な美しさが際立っていた。旧帝国ホテル(現在 玄関部分が明治村で保存)や自由学園と同じく、伸びやかな水平方向のラインを基本に、リズミカルな縦の線が交わる。これらはデザイン面だけではなく、構造的にも優れていて建築物としての十分な強度を保証した。それは関東大震災に遭った帝国ホテルの無事で証明されたのです。

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 ライト建築で使われる素材で特徴的なのは石や木や鉄や銅。日本での建築で特に愛用したのが大谷石。うっすら緑がかった薄茶色で、多孔質の独特な風合いが美しい。栃木県で採掘されていた軽石凝灰岩で、柔らかく加工しやすいため柱にも幾何学的な文様を彫刻してよく使っている。それは屋外に限らず、屋内でも。木の棚や家具も、建築的なデザインが秀逸です。

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 テーブル、椅子、違い棚、照明器具なども独自にデザイン。また施主の希望だったのでしょう、畳敷きの和室もありますが、明り取りの窓や欄間、ふすまの取っ手金具などもこの邸宅用にデザインされている。日本の伝統を尊重しながらも、独自の美意識を発揮している。細部までこだわるライトの面目躍如です。保存修理工事が終わってから初めての訪問。また新たな発見がありました。

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