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2019年6月21日 (金)

安藤忠雄の常設ギャラリー

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 兵庫県立美術館の展示棟とギャラリー棟との間、2Fと3F部分に5月23日オープンした第2展示棟「 Ando Gallery」。安藤忠雄さんのたくさんの傑作建築やプロジェクトが、模型や写真パネルやドローイングなどたくさんの資料で展示されている。企画展ではなく常設の展示ギャラリーです。この写真の真ん中の部分、ガラス張りの吹き抜け空間と2フロアの展示スペース。天井が高く明るくのびのびした空間です。ここ兵庫県立美術館とその周辺の緑地も安藤さんの設計だから、内も外も安藤作品というわけです。

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 出世作の住吉の長屋から光の教会、直島のベネッセハウスミュージアムや地中美術館、そして六甲の集合住宅ⅠⅡⅢⅣなど、代表的な作品が並ぶ。打ちっぱなしコンクリートの素材感と思いがけない発想がぶつかりあって、光の変化と美しい陰影を生み出す、どれも唯一無二の存在だ。そしてこの展示場所も、今回初めて気づいたのですが、いつも歩いている正面入り口に向かう通路の上。迷路のような楽しさがあるこの美術館の、建築としての新しい発見でした。

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 海外の仕事が多い最近の安藤さんの作品で、これは行ってみなきゃ!と思ったのが、ヴェネツィアのプンタ・デッラ・ドガーナ。サンマルコ広場からサルーテ教会を見た手前、その突端に見えている三角の建物が海運国ヴェネツィアのかつての税関。その17世紀の建物を外を補修し内部をリノベーションして現代美術館にしたもの。パリ南西部、セーヌ川のスガン島で実現しなかったピノー財団との作業。パリの仇はヴェネツィアで、というところ。2009年のオープンなのに、まだ行ってなかったのはうかつでした。

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 3Fの海側デッキには高さ約2.5mのFRP製「青リンゴ」のオブジェが。これも安藤さんのデザイン。米国の詩人サムエル・ウルマンの「青春」をモチーフにしたそうだ。ウルマンは「青春とは人生のある期間ではない。心のありようなのだ」と書く。安藤さんもこの青春のシンボルに「目指すは甘く実った赤りんごではない。未熟で酸っぱくとも明日への希望に満ち溢れた青りんごの精神」という言葉を寄せている。老いることを知らない安藤さんからの、いまの日本に対するメッセージなのでしょう。

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