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2019年6月 3日 (月)

なにを笑う?横尾忠則

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 驚く!笑う!混乱する!惹き込まれる! いま横尾忠則のユーモアやウイットに焦点を当てた展覧会が開かれている。無邪気な遊び心と毒を作為的に散りばめ、観客を挑発するヨコオワールド。ポスターにもなっているこの作品、「Panic ぱにっく パニック」というタイトルですが、人食いザメも金髪美女も歯を見せて笑っている。下に横たわっている男も笑っている、しかもオチンチンを立てて。大笑いする顔にも背景にも、「ぱにっく」の文字がぎっしり。人を食ってるのか、ああ大変な時代だ!と警告しているのか。

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 批評家精神あふれるパロディもおもしろい。横尾さんのスゴイところは自らの過去の作品を何度もリメークし、パロディのネタにしているところ。自分自身が生み出したいわば分身のような作品さえも、笑い飛ばしている。客観的に冷徹に見る目と、深く熱い思い入れの奇妙なバランス。これは横尾作品を考えるうえで重要なポイントではないでしょうか。ポップで、土俗的。作品創造にいっさい制約を設けずチャレンジしていく。成功した自らのスタイルさえも踏み越えて、新たな世界を生み出す。

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 過去の敬愛するアーティスト、たとえばアンリ・ルソーの作品をパロディの手法でいくつも新しい作品によみがえらせている。その多くはブラックユーモアだけど。19世紀末から20世紀初頭にはたぶん想像もできなかった社会状況があらわれている現代。「ルソーが今生きていたら」的な遊び心がいい。『フットボールをする人々』や『正確な寸法で描かれたルソー像』や『眠れるジプシー女』など、大笑い出来ました。ところで、横尾さんはこんな風に観ている観客を、シニカルに笑い飛ばしているのかなぁ。

人食いザメと金髪美女―笑う横尾忠則展
2019年5月25日(土)~8月25日(日)
横尾忠則現代美術館

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