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2019年5月 4日 (土)

暁斎はキョウサイと読む

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 幕末から明治にかけて幅広く活躍した河鍋暁斎(カワナベ  キョウサイ)。没後130年を機に、兵庫県立美術館で大規模な展覧会が開催されている。ポスターにも使われている『美女の袖を引く骸骨たち』という絵。ドイツのビーティヒハイム・ビッシンゲン市立博物館から帰還した作品だそうだ。すぐれた作品が海外にある、というところは価値観が変わる激動の時代だからこそ。おかげで傑作が今に残ったともいえる。知らなかったけれどスゴイアーティストがいたものだ。

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 歌川国芳の画塾で修業し、狩野派にも入門。文明開化の時代に大衆向けの浮世絵も伝統絵画も自在に描いた天才として一世を風靡した。しかし型にはまらない奔放さゆえか、一時忘れられかけたという。けれども卓越した画力と発想力で近年再評価が進んでいる。端正な花鳥画や仏画からユーモア精神あふれる錦絵や妖怪画まで、今回集められたのは200点を超える作品。美しさも残虐さもユーモアも、聖俗あわせせ呑んだ天才絵師・河鍋暁斎を知る、またとないチャンスです。

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 屏風、掛け軸、絵馬、歌舞伎の引き幕、本の挿絵、工芸品など考えられるあらゆるものを作り出している。現代でいうところの狭い美術界にはおさまっていない。当時考えられるあらゆるメディア、あらゆる表現手法にチャレンジ。意識は現代アートの作家に近い。今回の展覧会では彼の卓越した観察力や写生力を物語る下絵がたくさん展示されているのもおもしろい。何を考え、どのように対象を見たか。修正や書き足しなどから彼の思考のあとがうかがえる。

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 葛飾北斎と比べれば、生まれてくるのがちょっと遅かったのかもしれない。また明治以降、欧米から入ってきた西洋画になじむには早すぎたのかもしれない。日本伝統美学の系譜と近代西洋美学の狭間に生きた暁斎。美術史のなかにどう位置付けるべきか評価が難しかったのが、忘れられかけた理由でしょう。作家の評価なんてモノサシが変わればすぐに変わる。あの若冲やフェルメールでさえ忘れられていたのですから。評価って難しいですね。

河鍋暁斎 鬼才!Kyosai!
2019年4月6日(土)~5月19日(日)
兵庫県立美術館

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