世界へ輸出された超絶技巧
19世紀後半、幕末から明治時代に欧米で開かれた数々の万国博覧会で大きな注目を集めた日本の工芸品。【木彫】【金工】【七宝】【陶磁】【漆工】【牙彫】【自在】【石彫】 さまざまな分野で人間業とは思えない超絶技巧の作品が大量に作られ、輸出されて貴重な外貨を稼いだという。自然に対する繊細な感受性と洗練された造形センス、それらを作品化する超絶的な技巧で世界を驚かせた明治工芸。いまあらためて注目されているようです。
畑で採れたばかりに見えるみずみずしいキュウリや、ウロコの一枚一枚までリアルに再現されたヘビ、タカに襲い掛かるカラスを表現した刺繍画。ここまでの完成度になれば、感動を覚えざるを得ない。アーティストというより職人の手わざ、芸術品というよりは工芸品だけれど、そんなジャンル分けはまったく意味がない。イイものはイイのだから。スゴイものはスゴイのだから。素直な気持ちで観ないとソンをする。
この展覧会のもうひとつの見どころは、現代作家の作品。明治の超絶技巧を引き継ぐような現代のアーティストが何人もあらわれてきて、日本のアートシーンを豊かにしている。高橋賢悟さん、前原冬樹さん、稲崎栄利子さんの作品には特に驚かされました。明治時代の欧米人がびっくりしたように、神が作ったとしか思えない緻密さに私たちが息を呑む。その根気、その執念、鬼気迫る創作欲の一端にに触れることができました。
驚異の超絶技巧!
明治工芸から現代アートへ
2019年1月26日(土)~4月14日(日)
あべのハルカス美術館
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