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2019年2月 3日 (日)

ん?世界で一番ゴッホを描いた男

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 ん?どういうこと? 不思議な、そしてキャッチーなタイトルに惹かれて元町映画館へ出かけました。ユイ・ハイボーと娘のキキ・ティンチー・ユイの共同監督による映画「世界で一番ゴッホを描いた男」。独学で油絵を覚え、ゴッホの複製画を20年もの間描き続けている画工チャオ・シャオヨンを追ったドキュメンタリーです。英語のタイトルは CHINA'S VAN GOGHS 。日本語の翻訳が絶妙だと思いませんか。

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 「おい、オランダから『夜のカフェテリア』の注文が300枚入ったぞ、40日以内、急げ!」 こんな調子でシャオヨンは弟子たちを使い働きづめで働いているが、生活は苦しい。彼の工房は、世界市場の6割、1万人以上の画工が複製画づくりに従事する深圳の「油画村」と呼ばれるところにある。印刷技術も進歩しているのに、こんな仕事、こんな町があるなんて驚きだ。

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 画集や写真を見て描くだけの彼は、いつしか本物のゴッホをこの目で観たい!と強く願うようになる。ゴッホの芸術の高みにもっと近づきたい。ひたむきに描き、日々苦悩する彼は滑稽でありながら、その真摯な姿勢に心を打たれる。「僕は貧しくて中学にも行けなかったから」と慟哭する彼。オリジナルと模倣。芸術家か職人か。それらを理解していない無知を笑えない。

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 念願かなってアムステルダムを訪れた彼が見たものは? そしてアルルの精神病院やゴッホと弟のテオの墓参りで感じたことは? 本物のすばらしさに衝撃を受けた彼は、自分の人生を、これまでの仕事を見つめなおすようになる。そして自分自身の作品を作ろうと一歩を踏み出す。世界で一番ゴッホを敬愛する男というユニークな視点から、芸術の崇高さを考えさせる優れた映画でした。

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