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2019年2月18日 (月)

月面着陸を成し遂げた男

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 1970年の大阪万博でいちばん人気を集めた展示品は、アメリカ館の『月の石』でした。50年前、1969年7月10日にNASAはアポロ11号による人類初の月面着陸に成功している。TV中継で宇宙飛行士がピョンピョン跳ねるように月面を移動する姿を見て、胸躍る感動を覚えたものです。まだ科学技術の進歩に希望を抱いていた、良き時代の最後ごろですかね。

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 この映画『ファースト・マン』は初めて月に一歩をしるしたアポロ11号の船長、ニール・アームストロングの物語。デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング主演。あの『ラ・ラ・ランド』のコンビです。「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」(That one small step for (a) man, one giant leap for mankind.) 彼が月面で発した言葉はいまも記憶に残っている。

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 このように書くと華々しい英雄伝のようですが、チャゼル監督はまったく違う視点で作っている。歴史的偉業を達成したヒーローの物語ではなく、人生の苦悩と葛藤をかかえながら生きるひとりの人間ドラマに仕上げている。そのあたりは評価が分かれるところかもしれない。私はそこが素晴らしいと思いましたが、偉大なアメリカを具現したヒーローを期待した人には物足りないでしょうね。

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 その当時はバラ色の宇宙開発計画と無邪気に思っていたけれど、決してそうじゃなかったようだ。時はソビエト連邦との冷戦真っただ中。しかもアメリカはことごとく後れを取っていた。国威発揚のため、軍事技術向上のため、どうしてもデカい花火を打ち上げたかったのだ。かなり無理をしてでも。映画の中でも多くの死が描かれる。そのうえ巨額の予算を使う宇宙開発への反対運動も勢いを増す。そんな中でのアポロ計画。

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 アームストロングという人は寡黙で非社交的で自己顕示欲の少ない人だったようだ。そして冒険家ではなく、困難なミッションもたんたんとこなす普通の仕事人。もちろんその仕事はとても普通とは言えませんが。自己主張の強さばかりが目立つ今の社会。すぐに英雄視して持ち上げて、あっという間にたたき落とす今の時代。『ファースト・マン』を観る価値はあると思います。
 
 
 

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