日本の森と素木の家具
このステキなポスター、北欧家具のブランドを北欧デザインで作成したようでしょ。「SOMA」は岐阜県美濃加茂市にアトリエを構える木工作家・川合優さんが率いるライフスタイルブランドの名称だ。山で働き山に生きる杣人の『杣(そま)』からとったという。いま竹中大工道具館で「SOMA 日本の森と素木の家具」展が開催されている。
ふんだんに木が生かされた美しい会場に、シンプルで美しい家具や小物作品が並ぶ。木の美しさや温かさを伝えるために、装飾を廃しデザインは極力シンプルに作り上げる作品は、北欧の名品に通じる。北欧のオークやバーチに対して、日本のヒノキやスギ、ミズナラなどの木目の美しさを強調している。
日本では戦後間もないころに植林された木々が有効に使われず、山林の荒廃や生態系の崩壊を招いている。一方安価な木材を大量に輸入し、それは熱帯雨林をはじめ海外の環境破壊にも手を貸している。こんな日本の森の危機、地球規模の環境の危機に対して、木工作家ができることは?と考えた川合。
そんな状況を解消する一助としてSOMAを起ち上げ、木や森に寄り添って暮らす日本古来の生活を現代に取り入れる方法を展開している。それは家具の製造販売にとどまらず、森を生かすための活動、ワークショップやフィールドワークなどさまざまなコラボレーションに発展しているそうだ。もっともっと共感する人が増えて、豊かな森が後世に引き継がれることを祈っています。
SOMA 日本の森と素木の家具
2019年2月9日(土)~3月17日(日)
竹中大工道具館
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