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2019年2月 6日 (水)

横尾忠則の公開制作とは

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 いま横尾忠則現代美術館で開催中の展覧会。タイトルは『横尾忠則 大公開制作劇場』です。「本日、美術館で事件を起こす」というサブタイトルがついている。長年にわたりさまざまな場所で行ってきた公開制作。この『公開制作』という言葉は横尾さんの表現方法にとって、とても大きな意味を持っている。だから会場の数か所で上映される各地での制作風景の記録映像は重要なのだ。

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 そのベースには、絵画を描く、という行為そのものを芸術にしてしまおうという考えがあるに違いない。いわば横尾絵画は観客と共に作り上げるパフォーミングアート。「人に見られることでかえって余計な自我やこだわりが消え、無心状態で制作することができる」という。もともとはアトリエのなかった横尾さんが制作場所を求めてやむなくとった手段だそうだ。しかしその効用に気づいてからはより積極的に取り入れ、独自の手法になっていく。

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 また横尾さんは公開制作を演劇にたとえている。舞台の上で起こる事件=創造の現場を固唾をのんで見つめる観客と、その熱気やエネルギーを創造=事件に利用する作家。そこに生まれる即興的でスリリングな瞬間瞬間。作家と観客は共犯となって事件を起こし、共同制作者として作品を創造する。この展覧会は、それらの事件の現場検証ということなのでしょう。

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 公開制作をもっと演劇的にしたPCPPP(Public Costume Play Performance Painting)もおもしろい発想だ。横尾さん自身が工事の現場監督や大工の棟梁のようなコスチュームで登場して絵を描く。決してホワイトカラーではないです。なぜなら横尾さんにとって「描く」ということは、まさに肉体的行為なのだから。横尾忠則という巨大な才能の、創造の一端に触れられた気がします。
 
横尾忠則 大公開制作劇場
2019年1月26日(土)~5月6日(月・休)
横尾忠則現代美術館 Y+T MOCA

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