神戸に新・石炭火力発電所?
神戸市灘区に新たな大型石炭火力発電所を建設しようとする動きに異議を唱える住民グループが、映画上映会とセミナーを開催しました。地域住民の健康被害や地球温暖化の加速による気候変動へのリスク。健康と環境という、世界のそして時代の大きな流れに逆行する建設計画に対して、NOの意思表示を続けて来たけれど、計画はどんどん進行している。民事訴訟や行政訴訟も起こしていますが、どうなるのでしょうか。
この市民運動は一発電所の事案ではないと思う。どうしたら国や行政や巨大企業などが進めようとする計画を止めたり変更したりできるか、市民の意向を反映させるかという問題です。さまざまなデータや学者を動員して説得にかかる。あるいは発電所問題なら電力不足になったらどうするといった脅しまで。これら強大な力に対し、市民の支持を増やしながら粘り強く運動を続けるしかないのでしょう。
会の冒頭に上映された映画『シェーナウの想い』(2008年)に感動しました。チェルノブイリ原発事故をきっかけにドイツの田舎町シェーナウで生まれた市民グループが、「自然エネルギー社会を子どもたちに」という想いから初の「市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでを描いたドキュメンタリーです。あのドイツでさえ、こんなに苦難があったのか。福島で大事故があったにもかかわらず、あっさり再稼働を認めるこの国ではとてもじゃないけど・・・。
でもこの映画は10年もの苦労と努力があったとはいえ、市民の想いがちゃんと実現した事実を教えてくれる。これは大きいことだ。ちなみにシェーナウの会社が操業を始めた翌1998年に、ドイツは電力事業の自由化に踏み切ったそうです。発電所の問題に限らず、独占事業や公共事業をおこなう巨大な体制に市民が立ち向かうには、とてつもないエネルギーと時間と知恵が必要だ。この映画が神戸市民にも持続する勇気と力を与えてくれることを願います。
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