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2019年1月

2019年1月16日 (水)

切り絵でここまでできるのか

Poster
 11人のカミワザ、超絶技巧の切り絵ワールドへようこそ! こんなキャッチフレーズで、「切り絵アート展」が開催されている。アーティストは蒼山日菜、井出文蔵、酒井敦美、関口コオ、辰巳雅章、筑紫ゆうな、倪瑞良、林敬三、百鬼丸、福井利佐、柳沢京子の11人。それぞれが追求している独創的な世界が楽しめます。

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 切り絵といえば、一枚の紙から切り出した白と黒のシャープな世界、と思っていましたが、そんな既成概念は見事に覆されました。何枚もの紙を重ねて切り抜き、そのあと再構成する。切った紙と描いた絵画を組み合わせて作品にする。など、手法もさまざま。道具もカッターだけでなく、切り絵専用のハサミなど、いろいろ。

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 反射光(順光)と透過光(逆光)で違う絵に見える作品もある。これはLED照明を組み込んだ特製の額入り。そして啓蒙主義者ヴォルテールの文章の書き文字を作品にしたものも。こんな発想、信じられませんでした。もう『切り絵』という言葉でひとくくりなどできないほど、『切り絵』の世界は進化しています。

息を呑む繊細美
切り絵アート展
2019年1月12日(土)~3月24日(日)
神戸ファッション美術館

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2019年1月13日 (日)

タイトルは、月まで三キロ

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 伊予原新さんの短編集『月まで三キロ』(新潮社)がおもしろい。この「?」というタイトルにつられて、思わず買ってしまいました。「月まで三キロ」、「星六花」、「アンモナイトの探し方」、「天王寺ハイエイタス」、「エイリアンの食堂」、「山を刻む」の6編。今までちょっとなかった趣のお話に新鮮な感動を覚えました。オビには、「折れそうな心に寄り添う六つの物語」。まさにまさに、そんな珠玉の短編集です。SFではありませんよ。

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 潮汐トルク。遺伝的多様性。樹枝状六花。ノジュール。示準化石。年縞。クォークとレプトン。右巻きニュートリノ。苦鉄質包有岩。マグマ混相流。???なんじゃこりゃ??? という理系マニアックな言葉がいっぱい出てきます。でも作者が描きたいのは、親しい間柄でも分かり合えない哀しみ。人生にふりかかる苦悩。そして難解な科学用語をスパイスに生まれる、ほのかな希望。ほっこり温かくなる現代の人情噺です。

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2019年1月10日 (木)

冬枯れも、また楽し

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 冬の六甲山。秋の紅葉が終わると、落葉した林は見通しが良くなり一年でいちばん明るい季節になります。山麓の日当たりのいい場所には、ススキやセイタカアワダチソウの綿毛が美しい。色といい形といい、ぜんぜん主張しないのにしっかり確立された美がある。枯れ草色の美しさに改めて気づく季節。

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 枯れ草色とともに目立つのが、照葉樹林を構成するつややかな緑。その生命力あふれる緑に映えるのが真っ赤なヤブツバキです。六甲にもたくさんの群落がある。そして少し日陰になった場所にはアオキの赤い実が、やはり緑との対比で目に飛び込んでくる。枝に実だけ残った柿やマユミも見ごたえがある。

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 緑の時期には葉が茂り下草も密集しているため見えなかったもの、気づかなかったものが見えてくるのも冬の山歩きの楽しみだ。伐採した木と切り株に薄茶色の半透明ビニールシートを被せたかたまりに、何か張り紙がある。「マツクイムシの燻蒸駆除」。 へぇ、こんなこともしているんだ。森林の維持管理は大変なのだ。放っておくと荒れる一方だから。

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 修法ヶ原の奥を歩いていると、「少花粉スギ」の植栽を見かけた。まだ高さ2mぐらいですが、兵庫県森林ボランティア団体協議会が平成26年に植えた苗木だそうだ。花粉の量が通常のスギの1%以下だという少花粉スギ。花粉症対策に役立てばいいですね。何もないように思われる冬枯れの山のハイキングも、このようにおもしろい発見や新しい出会いがいっぱいです。

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2019年1月 7日 (月)

マリア・カラス、真実の人生

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 「マリアとして生きるには、カラスの名が重すぎるの」。これはオペラ史上最高の歌手、マリア・カラスの言葉です。ドラマチックな53年の生涯は、音楽界にとどまらず社会的にも広く関心を集め、後の世界に多大な影響を与えた。そんなカリスマ歌姫のドキュメンタリー。

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 この映画は舞台やコンサートの映像、TVのインタビュー、ニュース映像、未完の自叙伝など、すべて彼女に関する事実で出来上がっている。ここには誰か女優さんがマリアを演じた部分はまったくない。それが潔い。それが映画に凄みを与えている。トム・ヴォルフ監督の見事な構成です。

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 女王や大統領も駆けつける圧倒的なステージ。その成功の影に隠された苦悩とスキャンダルやバッシング。愛や家族を切望するマリアと、倒れるまで歌うことをあきらめなかったカラス。そのどちらもが彼女の真実の姿だったのだ。

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 歌に生き、恋に生き(プッチーニ「トスカ」)、清らかな女神よ(ベッリーニ「ノルマ」)、私のお父さん(プッチーニ「ジャンニ・スキッキ」)、さようなら、過ぎ去った日々よ(ヴェルディ「椿姫」)、恋は野の鳥(ビゼー「カルメン」)・・・。歴史的な魂の歌声がライブ映像で楽しめるのは、この上ない幸せでした。

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2019年1月 4日 (金)

最新の、スター誕生

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 監督&主演:ブラッドリー・クーパー。そして主演:レディー・ガガ。過去にジュディ・ガーランドやバーブラ・ストレイザンドが主演した名画『 A Star Is Born 』の、最新リメイク版「アリー/スター誕生」です。大まかなストーリー展開を知っているのに、これだけ感動するなんて思いがけない喜びでした。

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 まず驚いたのは、レディー・ガガの演技力。歌が素晴らしいだろうというのは、映画を観る前からわかりきっていたこと。でもこの難しい役どころを見事に演じ切った。主演女優賞モノの名演技です。ウエイトレスからスターダムを駆け上がっていくにしたがって、顔つきも変わってくる。

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 もちろんブラッドリー・クーパーの演技も素晴らしい。彼にとって初監督作品だそうだが、とても初めてとは思えない堂々とした演出で、深い感動を与えてくれた。ガガが I'll Never Love Again を歌うシーンには涙が止まりませんでした。ラストシーンでこれを持ってくるなんてズルい!いや上手い! 前に進む勇気をもらいました。ありがとう。
 

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2019年1月 1日 (火)

亥年、そして平成最後のお正月

            慶応明治大正昭和平成
            時は流れる 時代は移る
            人は生きる 時間は長い
            人は忘れる 時間は速い
            平成三十一年己亥正月
            五輪万博 いつか見た夢
            季節は巡る 時は積もる

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 平成最後のお正月、と聞くと何かと感慨深いものがあります。とくにこの年齢ともなると、時間のことをよく考えるようになる。いままで過ごしてきた時間。これから残された時間。長いようで短い。遅いようで速い。つかみどころがなく、でも厳然と存在する時間。人間は生まれ、愛し、死んでいく。それは何万年も変わらない宿命。あなたも私も、人間は神さまが作った時間ゲームの駒と割り切れば気楽なんでしょうが、それも難しい。

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 今年は亥年。写真はフィレンツェの「新市場のロッジア」にある青銅製のイノシシ。幸運を呼ぶ彫刻と呼ばれている。毎日たくさんの観光客に触られた鼻のあたりは金ピカです。舌の上にコインを置いて滑らせ、うまく下の穴に落ちると願いが叶うという。何百年もの間、人間の願いや欲望を見てきた彼は、「時間」なんて結論の出ない問題に悩むより、日々を懸命に生きろと思っているのだろうか。アモーレ!マンジャーレ!カンターレ! いい1年になりますように。

 

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