今も新鮮!過去の名作
越後妻有 大地の芸術祭。3年ごとの開催だけど、過去の名作がたくさん残されていて今も感動を与えてくれる。しかも3年ごとにその数は増え続ける。開催期間が過ぎれば終わり、という展覧会とはそこが違う。この地に「残る」ということが、まさに大地の芸術祭のキモ! 春や秋にもまたアート鑑賞に訪れたい、と思わせる魅力があるから。アートが越後妻有の地域おこしに貢献していると言われるゆえんだ。
たとえば松代のイリヤ&エミリア・カバコフによる「棚田」(2000年)。伝統的な稲作の情景を詠んだテキストと農作業をする人々の彫刻が、棚田を背景に浮かび上がる。鞍掛純一+日本大学芸術学部彫刻コース有志による「脱皮する家」(2006年)は、空き家になった古民家の壁も床も柱も天井の梁も階段も、延べ三千人が彫刻刀で彫ってまるごと作品に。手仕事のパワーに圧倒されます。
カサグランデ&リンターラ建築事務所が中里エリアに創った「ポチョムキン」(2003年)は、釜川の土手に建つ万里の長城のようなコールテン鋼の壁。長年ゴミが不法投棄されていた場所を、ブランコやあずまやが並ぶ迷路のような公園にしました。いい色にサビが出て時間が経ってますます趣深くなっている。
まつだい農舞台と駅の間には草間彌生の「花咲ける妻有」(2003年)が。色鮮やかに咲き誇る巨大作品で、たくましい生命力にあふれています。この作品は雪景色のなかで見るのもいいそうです。3年にいちどの真夏の芸術祭はもう閉幕ですが、期間以外の空いているときにゆっくり巡るのもいいかも。ジェームズ・タレルの「光の館」など泊まれるアート作品もいくつかありますから。
大地の芸術祭
越後妻有アートトリエンナーレ2018
2018年7月29日(日)~9月17日(月)
新潟県十日町市・津南町
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