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2018年12月20日 (木)

ダンボールの新たな価値を創造

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 「不要なものから、大切なものへ」。これをコンセプトに2009年から路上や店先で放置されている段ボールから財布を作る活動「Carton 」を続けている島津冬樹。いま世界が注目するダンボール・アーティストだ。(ゴメンナサイ、知らなかった)彼のアート活動を追いかけたドキュメンタリーが、岡島龍介/監督・撮影・編集による『旅するダンボール』。

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 1987年生まれの島津は、8年もの間世界30ヵ国を巡りって捨てられたダンボールを拾い、それを材料にデザインと機能を兼ね備えた財布を作っている。作品は国内外で展示し、ワークショップを開催して、捨てられるしかなかったダンボールに新たな価値を産み出している。リサイクルや再利用といった概念のさらに先を行く、「アップサイクル」の可能性を開く活動。

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 ただし島津のおもしろさはこんな社会的な反響とは無関係に、ひたすらダンボールが好きという純粋さにある。日本、ヨーロッパ、北米、アジアをまわり、現地のダンボールやそれを扱う人々と触れ合いを持つ。ワークショップに参加した人は国籍や年齢にかかわらず、ダンボールを見る目が変わったと感動する。そしてすごく楽しそうなのが印象的だ。

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 島津冬樹のドキュメンタリーなので、彼が主人公なのは間違いない。でも陰の主役ともいうべき存在が、徳之島Freshポテトのダンボール箱。島津のダンボール愛から生まれた心温まるストーリー展開の核になるのだ。写真のダンボールを入場時にプレゼントされました。その意味が分かったのは観終わった後ですが。

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 世界が注目するアーティスト、リサイクルや再利用を超えた概念。なんて聞くと、堅苦しくてお説教じみた感じを持ちがちですが、そんな心配はまったくありません。彼の飾り気のないキャラクター、岡島監督の押しつけがない軽妙なタッチの演出・編集、そして吉田大致の肩の力が抜けた音楽。それらがかえって説得力を高めている。さぁ希望を拾いに街に出ましょう。

 

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