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2018年12月

2018年12月29日 (土)

歳末は、明石の魚の棚へ

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 小さい頃は「ウオンタナ」と意味も分からず音で覚えていたから、「魚の棚」と漢字で認識した時の驚きといったら。昔の話ですが。ここ明石の鮮魚店や調理・加工した魚介類を売る店が集まる商店街「魚の棚」は、たしかにアーケードに英文字で UONTANA と表記されている。

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 明石海峡や播磨灘でとられて明石港に水揚げされた「前もん」。早朝に出漁し前の海でとってきた魚を昼過ぎにはもう店先に並べる「ひる網」。なんといっても鮮度の良さはとびきりです。明石と言えばタイやタコが超有名ですが、サワラやアナゴやハモやタチウオもブランドです。

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 何軒もの鮮魚店以外に、サワラやタイの味噌漬けや焼魚の専門店が軒を連ねる。その間にさまざまな練り物やアナゴやエビの揚げたて天ぷらを売る店。湯気の立っているタコやイイダコの柔らか煮をすすめる店。魚屋さんののテーマパークのようだ。にぎやかな売り声に心がウキウキしてくる。

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 活きの良さを売り物にする「魚の棚」。いつも地元の人や観光客でにぎわっていますが、中でもいちばん活気を呈するのが歳末。お正月に欠かせない祝鯛の姿焼きや、出世魚のブリ、数の子などを買い求め、玉子焼(大阪ではタコ焼き)を味わって帰るのがこの時期の定番です。
 
 

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2018年12月26日 (水)

長さ170mの巨大絵画

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 三谷祐資が描いた『四季の国・日本』というタイトルの絵を見に行った。作品サイズが高さ2.4m、全長はなんと170m。構想時点では80mぐらいの作品になる予定が、描き進めるうちに170mになってしまったという。この大きさに惹かれて兵庫県立美術館へ。アートはサイズ感も大切な要素だと思いますから。

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 取材に10年、制作に10年。地球温暖化による気候変動により少しずつ失われつつある美しい自然、日本の四季の姿を残さなければ、と始めた取り組みだそうだ。穏やかに移り変わるのが特徴の日本の季節。それが最近は程よい春や秋が短くなって、いきなり冬や夏になってしまう気がする。

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 この作品は写真ではなく絵画だから、季節の移り変わりを次々と場所を変えアングルを変え、ひと続きの作品に仕上げることができた。白神山地や北アルプスをはじめそれぞれの季節を表す最高のビュースポットで観察して描いているから、美しさも抜群。日本の四季の決定版。

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 魅力はやはりこのサイズ。一目見ようとたくさんの観客が訪れていた。アート作品はいい意味で「見世物」的な驚きも必要だ。そして「全体小説」という考え方があるなら、これは美しい日本の四季をテーマにした「全体絵画」と呼んでもいい。日本伝統の絵巻物にも通じる魅力がある労作だ。

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 作者の三谷さんは、本当のところ170mの長い壁もしくは円形か楕円形の展示室があれば、もっとよく意図が伝わると考えておられるでしょうね。でも170mが何枚かに分かれたこの展示でも、十分に企画性の高い作品だということは伝わりました。いつまでも残ってほしいと思います。

三谷祐資
四季の国・日本展
2018年12月13日(木)~12月27日(木)
兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリー

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2018年12月23日 (日)

エッシャーはミラクルか?

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 あべのハルカス美術館で、いま『ミラクル・エッシャー展』が開催されている。オランダ生まれの版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年~1972年)。生誕120年を記念して、イスラエル博物館が所蔵する世界最大級のコレクション152点を展示する展覧会です。もうほとんどの作品は見たことがあるけど、まぁ行ってみるかと軽い気持ちで出かけました。

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 でも実際にこれだけ多数の作品群を見たら、やっぱりスゴイ!おもしろい! 想像力か?幾何学か? ミラクルか?サイエンスか? 不思議の世界に脳がいっぱい刺激されました。建築不可能な構造物や、永遠に循環する水、平面を次々と変化するパターンで埋め尽くした作品など、独創的なアイデアとイメージの氾濫。

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 アタマがクラクラする彼の世界は、画家、クリエイターのみならず、数学者など幅広いジャンルの専門家にも影響を与えたという。反復、変容、循環、無限・・・。エッシャー作品への形容詞は、やはりこのアーティストが画家というくくりでは納まらない特異な才能の持ち主だったことを表している。まだまだ解明されない謎多き作家だとあらためて思いました。

生誕120年 イスラエル博物館所蔵
ミラクル エッシャー展
2018年11月16日(金)~2019年1月14日(月・祝)

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2018年12月20日 (木)

ダンボールの新たな価値を創造

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 「不要なものから、大切なものへ」。これをコンセプトに2009年から路上や店先で放置されている段ボールから財布を作る活動「Carton 」を続けている島津冬樹。いま世界が注目するダンボール・アーティストだ。(ゴメンナサイ、知らなかった)彼のアート活動を追いかけたドキュメンタリーが、岡島龍介/監督・撮影・編集による『旅するダンボール』。

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 1987年生まれの島津は、8年もの間世界30ヵ国を巡りって捨てられたダンボールを拾い、それを材料にデザインと機能を兼ね備えた財布を作っている。作品は国内外で展示し、ワークショップを開催して、捨てられるしかなかったダンボールに新たな価値を産み出している。リサイクルや再利用といった概念のさらに先を行く、「アップサイクル」の可能性を開く活動。

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 ただし島津のおもしろさはこんな社会的な反響とは無関係に、ひたすらダンボールが好きという純粋さにある。日本、ヨーロッパ、北米、アジアをまわり、現地のダンボールやそれを扱う人々と触れ合いを持つ。ワークショップに参加した人は国籍や年齢にかかわらず、ダンボールを見る目が変わったと感動する。そしてすごく楽しそうなのが印象的だ。

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 島津冬樹のドキュメンタリーなので、彼が主人公なのは間違いない。でも陰の主役ともいうべき存在が、徳之島Freshポテトのダンボール箱。島津のダンボール愛から生まれた心温まるストーリー展開の核になるのだ。写真のダンボールを入場時にプレゼントされました。その意味が分かったのは観終わった後ですが。

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 世界が注目するアーティスト、リサイクルや再利用を超えた概念。なんて聞くと、堅苦しくてお説教じみた感じを持ちがちですが、そんな心配はまったくありません。彼の飾り気のないキャラクター、岡島監督の押しつけがない軽妙なタッチの演出・編集、そして吉田大致の肩の力が抜けた音楽。それらがかえって説得力を高めている。さぁ希望を拾いに街に出ましょう。

 

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2018年12月16日 (日)

松蔭にてクリスマスの夕べ

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 松蔭女子学院大学のチャペルでクリスマスのコンサートが、今年も開催されました。これを聴くと、あぁクリスマスが来たなぁ、と感慨を覚えます。クリスチャンじゃありませんが、イエスの誕生を喜び祝う学生たちのピュアな気持ちが心地よく感じられる。大きな愛のもと共に集い、共に祈る。たしかにこの時、チャペルは愛と平和を祈る場になっています。

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 学生たちは、聖歌隊、オルガン奏楽、ブライダルキャプテン、としてそれぞれの役割を果たし、コンサートのプログラムは進む。「ダビデのむらざと」(聖歌 70)や「御子の民よ」(聖歌 54)や「かいばおけのほしくさに」(聖歌 76 75)・・・。バッハのオルガン曲「甘き喜びのうちに」BWV729や「パストレッラ」BWV590や「目覚めよ、と呼ぶ声が聞こえ」BWV645・・・。

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 そして参加した聴衆も全員立ち上がって合唱する会衆賛美が2曲。第一部の最後に「もろびとこぞりて」(聖歌 69)、第二部の終わりに「まきびととひつじを」(聖歌 94)。どちらも良く知っている歌なので、みんな思いのほか大きな声で一生懸命に心を込めて歌っている。みんなで讃美歌を合唱するという文化は、仏教でお経を声をそろえて唱えるのと似ているのでしょうか。

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 コンサートが終了した後は、外に出てチャペルの前の大きなツリーの点灯式に臨みます。全員で声をそろえてカウントダウンして鮮やかに点灯。電飾の色もホワイトとブルーで清楚な美しさです。街に流れるクリスマスソングやカラフルな飾りつけとは一味違うクリスマス。周りに雪が積もっていればもっといいのに、とないものねだりをしてしまいそうでした。

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2018年12月12日 (水)

ルミナリエの季節です、今年も

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 阪神淡路大震災のあと、師走恒例となったルミナリエ。今年は暖かい日が続き、あまりルミナリエ気分が盛り上がらなかった。でも準備は着々と進められ、12月7日(金)の開催スタート日に合わせたように、寒波がやってきて冬らしくなりました。でも土日はスゴイ人出。さすがルミナリエです。

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 ついこのあいだ聞いたんだけど、設営に来るイタリア人って3年ぐらいで変わるんだって。というのもルミナリエはイタリア南部プーリア州のスコッラーノという街が本場。(ただし夏のお祭りだそうです) この街に何社かルミナリエを開催する会社があって、神戸でも数年に一度、入札か持ち回りかは知らないけれど、会社が変わるらしい。

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 今年のルミナリエは使用するLED電球が約51万個(昨年は約40万個)だから、今までになかったほど豪華だ。明るく鮮やかな光の祭典。浪花町から約270m続く光の回廊。東遊園地の光の壁掛け「スパッリエーラ」や光の聖堂「カッサ・アルモニカ」などが広い芝生広場に輝いている。(夜だから芝生は見えません)
 
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 今回は、来年日本で開催されるラグビーワールドカップの開催地の一つが神戸だから、それを記念した飾りもありました。今年もまた資金不足で、これで終わりかも、と脅しをかけながら募金を募っていました。この募金活動も歳末の風物詩になってきました。存続のピンチかもしれませんが、それでもきっと来年も開催されると信じています。

神戸ルミナリエ 2018
2018年12月7日(金)~12月16日(日)

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2018年12月 9日 (日)

アルゼンチンタンゴをライブで聴く

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 アルゼンチンタンゴのバンド『アストロリコ Tangam Trio』のライブを2年ぶりに楽しみました。場所は大阪中崎町の古民家ギャラリー&カフェ「みずたまや」さん。ぎっしり並べられた椅子に、観客20数名がぎゅうぎゅうに座る。演奏者はリーダーでバンドネオンの門奈紀生さん、ヴァイオリンの麻場利華さん、コントラバス後藤雅史さん。すぐ目の前、文字通り手が届く距離だ。いくら小スペースのライブと言っても、こんな息遣いまで聞こえる機会はめったにない。

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 アルゼンチンタンゴの演奏でいちばん特徴的な楽器がバンドネオンだ。1847年にドイツで生まれた楽器で、当初は野外で教会のパイプオルガンの代用として使われていたという。それがどういう経緯かは不明だが、アルゼンチンへ渡りタンゴと出会う。そして鋭く明快なスタッカートや歌うような滑らかな音が、タンゴ独特の情熱的な響きと歯切れのよいリズムを支える、なくてはならない楽器になったのか。ふむふむ。素晴らしい音を楽しむのみならず、お勉強までさせてもらいました。感謝です。

 

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2018年12月 6日 (木)

ガンジス河の「解脱の家」

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 死期を悟り、安らかな死を求める。でも、そんなことが可能なのか? ガンジス河の畔、聖地バラナシにある施設「解脱の家」。幸せな最期を迎えるために、人々が静かにおだやかに暮らす場所です。映画『ガンジスに還る』、オリジナルタイトルは『HOTEL SALVATION』。直訳すれば、救いのホテルあるいはホテル救済。それを解脱の家とはうまい訳だ。

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 インドは家長=父親の権力が絶大だと聞いたことがある。そしてヒンドゥーの教えによる独特な死生観。私たちにはよく理解できない価値観の中で物語は始まる。その父親が死期を悟り、家を出てこの解脱の家へ行くと言い出す。仕事人間の息子も仕方なく付き添うことになる。頑固な父親と合理主義者の息子。初めは衝突ばかりしているが、次第にわだかまりがほぐれていく。
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 旅立つ者、見送る者。どちらにもそれぞれの思いがあり生活がある。その感情の機微を繊細に丁寧に描写して、家族の強い絆を浮き彫りにする手腕は見事だ。父、息子、その妻、孫娘、そして施設で暮らす人々。淡々と、泰然と、死と向かい合う。そして体の機能が止まり、魂が抜け出すのを解脱というのでしょうか。キリスト教徒の欧米人よりは、分かる気がする。看取る側もたいへんだと思いましたが、最後を共に生きることは共に死ぬことでもあるのでしょう。

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 温かさと優しさが満ち溢れたこの感動作の監督・脚本はシュバシシュ・ブティアニ。なんとまだ27歳の新鋭だそうだ。「死」という重いテーマを、ユーモアを交えながら小津安二郎が描いたような人情味あふれる物語に仕上げている。まるで老練なベテラン監督のようだ。
 聖地バラナシはインド国内外から多くの信者、巡礼者が訪れるヒンドゥー教の一大聖地。インドの人々にとってこの地で人生の最後を迎えることは、最大の喜びと言われているそうです。

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2018年12月 3日 (月)

大人も子供もナイトマルシェ

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 旧居留地、大丸の東と南の道路を歩行者天国にして、12月1日(土)にナイトマルシェが開催されました。14時からスタートした物販は絵本やレザーグッズ、天然石のジュエリーやドライフラワーを使ったリースや木のおもちゃなどのブースが、人を集めていた。

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 そして17時スタートの飲食ブースは、どの店も大変な行列。地鶏の炭火焼きやコンフィ、生ハム入りスペイン風オムレツやエビのピンピョス、牛肉のフォーやオマール海老と野菜のブイヤベース、勢子ガニとかぶらの茶碗蒸しや牛タンの味噌田楽…。

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 スパークリングワインやサングリア、クラフトビールやシェリー、甘酒や焼酎やホットウイスキーと、各店のこだわりドリンクが何でもそろう。最近の日本酒ブームを反映してか、日本酒やそれに合う料理を出す店が増えたのが、今回の特徴でしょうか。

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 交差点に特設されたライブ会場では、森本輝久TrioやPENNY NOTES やモリオカカルテットなど神戸で活躍するアーティストがノリのいい演奏を繰り広げる。子供もいっしょに楽しめる手作りキャンドルホルダーやクリスマスリースのワークショップも。

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 あまり寒くなくお天気に恵まれたこのイベント。とはいえ、もう12月。日が暮れるのが早く、寒々とした空になる。温かいおでんやもつ煮込み、ホットゆず酒などがやっぱり人気です。大人も子供も、冬の夜のマルシェイベントを満喫した一日でした。

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