日本全国の「一の宮」をえがく
一の宮とは神社の格をあらわす分類のひとつ。その起源は諸説あるが、平安から鎌倉時代にかけて成立したと考えられているそうだ。「全国一の宮会」に加盟している神社の大半が、古くからその地域の信仰を集める由緒ある神域。日本画家・西田眞人は一の宮会に加盟する百一社と、別格である伊勢神宮の内宮、外宮をあわせて計百三社をえがく旅を続けている。
いま神戸ゆかりの美術館で開催されている展覧会では、これまでに完成した三十二点の作品を、スケッチとともに展示している。深い森の中に、険しい高山の上に、神聖な孤島に、清らかな気と静寂に包まれた祈りの場はある。それぞれの地方ごとに建物も特殊だし、取り巻く環境も多様だ。歴史ある一の宮をえがくことは、期せずして美しい四季をえがくことにつながっている。
日本人の詩情、自然への畏怖、生活と信仰。一の宮というテーマに行き着くまでの西田眞人の画業と合わせての展示は見ごたえがある。初期作品から阪神淡路大震災直後のスケッチ、イングランドやスコットランドの風景、人物画・・・100点余りの作品と大病を患った彼の経歴から、人はなぜその地を祀るようになったのか、を探求する旅人が生まれた必然を感じます。
西田眞人
一の宮をえがく
~こころの旅 第一章~
2018年10月6日(土)~12月9日(日)
神戸ゆかりの美術館
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