グッドデザイン賞も変わってきた
Gマークでおなじみのグッドデザイン賞。過去の受賞作はモダンな醤油さしやオルファカッターやカップヌードルなど、長く愛用されている。いずれもプロダクトデザインなど『モノ』のデザインが中心だった。今年の大賞は「おてら おやつ クラブ」が受賞しました。大賞はその年の一等賞、いわば2018年を象徴するデザインです。それがモノではなく『コト』、社会の新しい仕組みを作り上げた「おてら おやつ クラブ」が受賞したのです。
お寺の「おそなえ」を「おさがり」として、支援団体を通じて経済的に困難な家庭へ「おすそわけ」する活動。お寺にはお菓子や果物、食品や日用品がお供えされる。それらを子どもをサポートする支援団体の協力で届けるという。貧困問題解決に向けてお寺ができることをしようという新たな運動だ。従来のデザインという言葉のイメージからは、ずいぶん離れていると思いませんか?
モノのカタチを美しくスマートに整理するのがデザイン。ながらくそう考えられてきました。もちろんそんな製品『デザイン』は今も健在です。でも最近はデザインの概念がどんどん広がっている。社会問題の解決法を整理する。地域の活性化策を構築する、などなど。それはデザイナーが関わる領域の拡大を意味する。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「津波避難訓練アプリ 逃げトレ」の金賞受賞がそれを物語っています。この機会に私たちの暮らしや社会とデザインとの関係を、もう一度考えてみるのもいいかもしれません。
GOOD DESIGN AWARD 神戸展
2018年11月23日(金)~12月24日(月)
神戸ファッション美術館
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