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2018年8月26日 (日)

スターリン後のドタバタ闘争

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 1953年スターリンが急死した後、ソ連の中枢で何があったのか? このあたりの知識も記憶もほとんどない。当時のソ連は大切な情報ほど隠して、表に出さなかった。そして私自身がまだ小さい子どもだったから。アーマンド・イアヌッチ監督の映画『スターリンの葬送狂騒曲』は独裁者の死後の熾烈な権力争いを描いていておもしろい。

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 どこまでが真実かわからないけれど、独裁者を支えてきた側近たちはどいつもこいつもろくでもないヤツばかり。そんな彼らが命がけで策を弄する姿は涙ぐましく滑稽だ。なにせ権力の座にとどまるか、外れるかは、彼らにとって文字通り死活問題。辛辣なブラック・コメディだけど、単純には笑えない。

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 一般論として、社会主義国は自由や人権に対する意識が低い。一人に権力が集中していく体制なので、独裁者が生まれやすいのだ。そしてその権力は秘密警察と粛清という恐怖と暴力によって維持される。それは昔も今も変わらない。こんな国でも選挙はある(たとえカタチだけのものにせよ)。大事な政策は合議制で決める(ただし全員一致で)。自由に意見を述べると死だ。

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 じつはこの映画、ロシアでは上映禁止になったそうだ。ここに登場する権力の亡者たちの直系の末裔であるプーチン大統領には許しがたい映画なのでしょう。これは旧ソヴィエトの半世紀以上も前の話。表現の自由、人権の尊重が当たり前の時代に育った私たちからみれば、すごく特異でいびつな社会です。

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 スターリンや毛沢東だけではなく、たくさんの権力者の死後に、こんな争いが起こっているのでしょうね。今もきっと世界のどこかで。ばかばかしく滑稽だけれど、笑いとばせない怖さがあります。長い時間をかけて築き上げてきた社会も、何かのきっかけでこうなる恐れはある。そして最近世界中がこんな方向へ変わりつつあるような気がして心配です。杞憂であればいいのですが。
 

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コメント

<長い時間をかけて築き上げてきた社会も、
<何かのきっかけでこうなる恐れはある。

<そして最近世界中がこんな方向へ変わりつつ
<あるような気がして心配

確かに、ご指摘の通りですね。
その視点でみると、この映画のブラック度が大幅アップ...

投稿: onscreen | 2018年9月22日 (土) 15時05分

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