多治見のタイルミュージアム
今年の猛暑は危険レベルに達しています。なかでも日本有数の暑さですっかり全国区になった多治見。藤森照信さんが設計した多治見市モザイクタイルミュージアムが新たな名所になっている。気温が40℃にもなる日に覚悟を決めて見学に出かけました。夏休みに入っているので、思っていた以上ににぎわってた。
屋根(?)に松が生えた小高い山を思わせる、土壁のユニークな建築。タイルの原料を掘り出す「粘土山」をイメージしたそうだ。同じく藤森さんが設計した近江八幡のラコリーナにも、似たイメージの建造物がある。近い時期に建てられたのでしょうか。もともと土壁には思い入れが強いようで、多くの藤森建築に左官仕事の土壁が使われている。もっともタイルは土から生み出されるので、このミュージアムにはぴったり合っている。
土は原始的な素材のひとつだが、光の当たり具合で多彩に表情を変える超未来的な見え方をするからおもしろい。そして多治見はタイル以前から陶磁器の生産地として栄えていた。そんな歴史の記憶として陶片を壁に埋め込んで、デザインの一部にしている。ダリ劇場美術館の壁面にパン形のオブジェを規則的に貼り付けて変化をつけているように。
最上階の4階吹き抜け部分にはおもしろいオブジェが作られている。色とりどりのタイルの破片を使ってすだれのようにした「タイル・カーテン」。影もクモの巣のようで美しい。ひとつのテーマに特化したミュージアム(ここではタイル)は、やはりインパクトが強く魅力的だ。それに比べてどんな展覧会でもできる汎用性がある美術館は、薄味だと思う。ではその特化した展示内容は、次回ご紹介します。
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