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2018年6月

2018年6月28日 (木)

世界でいちばん長い並木道

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 総延長35.41km、ギネスブックに「世界最長の並木道」として登録されている道が日本にある。日光杉並木街道だ。植樹から400年近く経った杉の大木が約12,500本。高さ30mを超える見事な景観を作っている。これだけ大きくなると、もうすこし間隔をあけたほうがいいんじゃないかと思うほど、すきまなくびっしりと生えている。

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 この道は昔の街道サイズだから狭いけれど、クルマも走れる。だから根元に重みがかかり樹勢が弱る杉もある。その対応策として道路の地下に大きな中空のコンクリートブロックを埋め込む工事を順次おこなっているそうだ。踏み固められる負担をやわらげ、しかも根は自由に伸ばせるように。これだけの並木だもの、ずうーっと後世まで残していかないとね。

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 杉は空に向かって真っすぐに伸びていく姿から、神さまに近い木と考えられ神社に多く植えられている。また神さまは杉の木を伝って天井界と地上界を行き来する、という言い伝えもあるそうだ。東照宮にも杉は多い。家康の墓所の横には、願い事がかなうと言われる「叶う杉」もある。参道である日光街道の杉は、神となった家康公への捧げものだったのですね。

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2018年6月25日 (月)

梅雨に咲くクチナシの花

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 今年は梅雨らしい天気が続きますね。わずかに日差しが出た梅雨の晴れ間に、マンションの敷地に咲いているクチナシを撮影しました。ガーデニアとも呼ばれるアカネ科の常緑低木。学名はGardenia jasminoidesで、西南日本から台湾、中国、インドシナ半島に分布するそうだ。亜熱帯から熱帯にかけて自生する植物なので、寒さには弱い。植えられているのは野生種ではなく園芸品種のオオヤエクチナシ。

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 クチナシは甘い香りがあたりに漂うので、おっ花が咲いたな、と気づく。春先のジンチョウゲ、秋のキンモクセイとともに独特な芳香が特徴だ。有名な香水にも使われているという。英国でケープジャスミンと呼ばれるそうだが、よくわかります。花のない時期もツヤツヤした濃い緑の葉が美しい。しっかり厚みもあり葉脈もはっきりくっきり見えて、まさに照葉樹林帯の木、という感じ。
  
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 白い花のベルベットのような質感は、ちょっとモクレンに似ている。次々と花が咲くので、ツボミから茶色く枯れたものまで同時に見られる。それは便利なようでもあるけど、汚く感じられることも。またクチナシは秋には赤黄色い実がなって、これから抽出された色素が、たくあんや栗きんとんやラーメンの麺の天然着色料に使われている。けっこう身近な植物だったのだ。もっとも園芸品種のヤエクチナシには残念ながら実がならないそうで。

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2018年6月22日 (金)

木蘇皮プロジェクトとは

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 木曽路で開催されている「けものみち」展。山深いこの地ならでは、と思わせるユニークな企画が「木蘇皮プロジェクト」です。山の恵みをクリエイティブに活用していくことはできないか、という思い。自然と共存しながら地域の生活と資源に根ざした文化の創出を目指したい、という願い。これらは明治以降の近代化による自然の破壊と、過疎化による野生の逆襲という、二つの大きな潮流に対してアートは何ができるかという問いへの答えでもあります。

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 有害獣として駆除されたシカやイノシシの大部分は廃棄されているという。これら獣の皮を煮出して膠(ニカワ)をとりだし、煤(すす)と練りこんで墨を作る。毛は筆に使う。そして、なめした皮に絵を描く。これはほんの一例だが、自然と人間が持続可能な関係として循環していくためのヒントになりえると思います。そんな考えも人間の身勝手かもしれません。でも有害鳥獣や害虫などという、自然をリスペクトしない不遜な言葉を死語にするきっかけになればいいと思うんだけど。

木曽ペインティングス Vol.2
けものみち

2018年6月6日(水)~6月21日(木)
長野県木曽郡木曽町/上松町/木祖村

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2018年6月19日 (火)

木曽の「けものみち」展

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 旧中山道の宮ノ腰宿、上松宿、藪原宿の古民家や美術館を舞台に、34人のアーティストによる作品展が開催されている。野生動物と人間の関係、自然と近代化とのバランスなど、山の中の街道とそれを取りまく野生の150年間をテーマにした作品が、宿場町の趣のある場所に工夫を凝らして展示してある。

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 たとえば、サルやシカ,、イノシシやクマなど林業や農業への被害を考えさせられる宮嶋結香の絵画。おもしろい質感だなと思ったら、これらは米袋に描かれている。シワシワの上に絵の具のまだらがいい味を出している。もちろん描かれた動物たちもとても個性的だ。このアーティストはすごく才能があると思います。

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 さまざまな動物をモチーフにした木の造形が色鮮やかな糸で結ばれた伊藤美緒の作品も興味深い。古民家の違い棚や欄間など、昔の建具との対比が新鮮だ。どちらも木を扱う技術が素晴らしい。さすが木の故郷。木曽ならではの技。島崎藤村が「木曽路はすべて山の中である」と書いた時代から百数十年が経った現代、この木曽でこんな企画が生まれるのはいいことだ。

木曽ペインティングス Vol.2
けものみち

2018年6月6日(水)~6月21日(木)
長野県木曽郡木曽町/上松町/木祖村

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2018年6月16日 (土)

「画家の肖像」展だからね

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 いま開催中の「横尾忠則 画家の肖像」展。前回は自画像にまつわる印象を書きましたが、別の階では横尾さんが刺激を受け尊敬する画家たちをテーマにした作品群が展示されている。ピカビア、ピカソ、アンディ・ウォーホル、マン・レイ、キリコ,、マルセル・デュシャンなどをイメージした作品。それがまたよくできている。(生意気なことを言って、横尾さん、ゴメンナサイ)
 
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 やっぱり惚れ込んだアーティストのスタイルや表現の核を、よっぽど深く見ないと特徴はつかめない。このピカソを取り上げた作品も、彼の何人もの奥さんをまわりに散りばめている。しかもそれぞれの女性のイニシャルをつけて肖像画(似顔絵)を描くなんて。冗談きついよ、と言いたくなります。
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 マン・レイはマン・レイだし、ウォーホルはウォーホルだし、ピカビアはまさにピカビア。さすが横尾さん、それぞれの画家のアート世界を見事に表現している。見る目、テクニック、想像力、創造力、すべてそろって初めて描ける作品群だと思う。それにユーモアのセンスもね。観る側は発見の楽しみ満載です。

横尾忠則現代美術館
Y+T MOCA
横尾忠則 画家の肖像
2018年5月26日(土)~8月26日(日)

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2018年6月13日 (水)

横尾忠則の自画像

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 レンブラントやゴッホをはじめ、昔から自画像を描く画家は多い。横尾忠則さんはそんななかでも特別に多作だと思う。グラフィックデザイナーのころから画家宣言をしたあと、そして現代にいたるまで。肖像として描いたもの。作品の中の一つのイメージ要素として登場させたもの、などなど。いつも自己の内面世界を表現してきた横尾さんらしい。自己顕示欲とは違って、興味津々に自分自身の存在の奥底を探検している感じ。

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 1980年代後半はデザイナーとして確立した方法論を捨て、画家としてのまったく新たなスタイルを模索していた時代。キャンバスの布地を切り貼りした、いま見ても面白い作品群がたくさん生み出された。平面だけの表現では飽き足らず、立体的な手法で次元の違う事象をコラージュし、イメージの多重化と融合によって壮大な叙事詩のようなアート世界を構築している。

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 少年時代の想い出、あるいは生まれる前の(前世の?)記憶。横尾さんはごくごく小さい頃から自己探求を繰り返す子どもだったに違いない。そんな自己を見つめた肖像が、1965年の有名なポスターから2018年の「T+Y自画像」まで、90点余りの作品が展示されている。とても見ごたえのある展覧会でした。

横尾忠則現代美術館
Y+T MOCA
横尾忠則 画家の肖像
2018年5月26日(土)~8月26日(日)

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2018年6月 9日 (土)

ムーミン谷をおいしく味わう

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 このラスク、ムーミンとムーミンママです。フィンランドの会社が販売しているクッキー型で型抜きをして作ったもの。もちろんクッキーも作れます。長年愛されてきたキャラクターたちだから、カタチだけでちゃんと誰だかわかるからたいしたものです。

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 こちらに並んでいるのはクッキー版、ムーミン谷の愉快な仲間たち。カタチだけでも楽しいけれど、目鼻をペインティングするとさらに面白さが増す。ムーミン、ムーミンママ、ミイ、スナフキン、ニョロニョロ。ムーミン谷の住人たちが生き生きと動き出す(かな?)。

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 チョコレート色とホワイトの2色、速乾タイプのチョコペンでデコレーションに初挑戦。これがなかなか難しい。線を引くためのチューブを押す力加減、特徴をあらわすための省略と強調。初挑戦でうまくいくほど甘いものではない。これはかなり練習しないと、です。

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 ひとしきりお絵かきに没頭。寡黙になります、意地になります。そして、達成感がすごくあります。出来上がりの良し悪しにかかわらず。であとは食べるだけ、なのですが情が移って・・・。エイヤ!っと勇気を振り絞ってガブリ。どんな名店のお菓子よりおいしくいただきました。

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2018年6月 4日 (月)

熊谷守一が映画になった

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 山崎努と樹木希林が画家・熊谷守一とその妻を演じる『モリのいる場所』が味わい深い。監督・脚本は『南極料理人』の沖田修一。明治13年(1880)岐阜県に生まれ、昭和52年(1977)に97歳で亡くなる熊谷。この映画は何十年も自宅の庭から外に出たことがないという、仙人のような暮らしぶりの、彼のある一日をとらえたものだ。

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 ベニヤ板にアリやネコやチョウを描いた熊谷。単純化されたフォルム、鮮やかな色彩・・・庭で見つけた小さな命たちを天真爛漫に描く。子どもの絵のようにも見えるその作品、じつは徹底した観察から生まれている。「アリは左の2番目の足から歩き出すのですね」。庭に寝転んでじいーっとアリを観察して発した言葉は有名だ。

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 金銭欲もなく名誉欲もなく、ひょうひょうと生きる夫婦。文化勲章の受賞も断ってしまう。ただ淡々と過ぎてゆく日々にも、時代の波は押し寄せる。沖田監督は、まわりを取り巻く人々と熊谷家のちょっとした出来事を、あたたかい目線でユーモラスに描く。「へたも絵のうち」と考える画家と彼をささえる妻。敬意と愛情に基づいた素敵な人間関係がじんわり伝わってきます。

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2018年6月 1日 (金)

下村優介のヌーベル切り絵

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 新しい発想の切り絵でアートに新時代を開いている下村優介さん。いま大阪高島屋7階で作品が展示されている。しかも下村さんによるワークショップも行われる。大阪アート&ハンドメイド バザールという企画イベント。切り絵って何となく古臭いイメージを持たれている方も多いかもしれません。でも、ここ5年ほどでガラッと印象が変わりました。

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 そんな新時代の切り絵アートを引っ張っている一人が、この下村優介さん。上の2点はポストカードですが、作品を少し浮かせて影をつけている。小さい画像なので、ちょっとわかりにくいかもしれなせんが。平面である切り絵をこんな立体的に見せる「見せ方」もモダンでしょ。アメリカやスペインでの展示やワークショップでも活躍する彼ならでは。

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 会場にはこんな撮影コーナーが設けてある。これも黒い壁面から少し浮かせて展示している。緻密にカットされた2羽の鳥。向かい合っていまにも跳びかからんとする闘鶏の決定的瞬間、かな? という緊張感あふれる作品です。上のほうの頭より鋭い爪が強調されて迫力がある。でもそれだけではありません。

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 この前に立って記念撮影をすると、ほらご覧の通り。天使になれましたでしょうか。お見苦しい姿でスミマセン。こんな遊び心がそれぞれの作品の随所に現れている。手先の器用さが強調されていた従来の切り絵。それに対して絵のテーマが斬新で、サイズや平面性の束縛から解放された下村アートはまだまだ進化を続けるでしょう。

OSAKA ART & HANDMADE BAZAAR
Collection  in 大阪タカシマヤ

2018年5月30日(水)~6月4日(月)

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