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2018年6月

2018年6月16日 (土)

「画家の肖像」展だからね

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 いま開催中の「横尾忠則 画家の肖像」展。前回は自画像にまつわる印象を書きましたが、別の階では横尾さんが刺激を受け尊敬する画家たちをテーマにした作品群が展示されている。ピカビア、ピカソ、アンディ・ウォーホル、マン・レイ、キリコ,、マルセル・デュシャンなどをイメージした作品。それがまたよくできている。(生意気なことを言って、横尾さん、ゴメンナサイ)
 
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 やっぱり惚れ込んだアーティストのスタイルや表現の核を、よっぽど深く見ないと特徴はつかめない。このピカソを取り上げた作品も、彼の何人もの奥さんをまわりに散りばめている。しかもそれぞれの女性のイニシャルをつけて肖像画(似顔絵)を描くなんて。冗談きついよ、と言いたくなります。
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 マン・レイはマン・レイだし、ウォーホルはウォーホルだし、ピカビアはまさにピカビア。さすが横尾さん、それぞれの画家のアート世界を見事に表現している。見る目、テクニック、想像力、創造力、すべてそろって初めて描ける作品群だと思う。それにユーモアのセンスもね。観る側は発見の楽しみ満載です。

横尾忠則現代美術館
Y+T MOCA
横尾忠則 画家の肖像
2018年5月26日(土)~8月26日(日)

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2018年6月13日 (水)

横尾忠則の自画像

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 レンブラントやゴッホをはじめ、昔から自画像を描く画家は多い。横尾忠則さんはそんななかでも特別に多作だと思う。グラフィックデザイナーのころから画家宣言をしたあと、そして現代にいたるまで。肖像として描いたもの。作品の中の一つのイメージ要素として登場させたもの、などなど。いつも自己の内面世界を表現してきた横尾さんらしい。自己顕示欲とは違って、興味津々に自分自身の存在の奥底を探検している感じ。

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 1980年代後半はデザイナーとして確立した方法論を捨て、画家としてのまったく新たなスタイルを模索していた時代。キャンバスの布地を切り貼りした、いま見ても面白い作品群がたくさん生み出された。平面だけの表現では飽き足らず、立体的な手法で次元の違う事象をコラージュし、イメージの多重化と融合によって壮大な叙事詩のようなアート世界を構築している。

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 少年時代の想い出、あるいは生まれる前の(前世の?)記憶。横尾さんはごくごく小さい頃から自己探求を繰り返す子どもだったに違いない。そんな自己を見つめた肖像が、1965年の有名なポスターから2018年の「T+Y自画像」まで、90点余りの作品が展示されている。とても見ごたえのある展覧会でした。

横尾忠則現代美術館
Y+T MOCA
横尾忠則 画家の肖像
2018年5月26日(土)~8月26日(日)

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2018年6月 9日 (土)

ムーミン谷をおいしく味わう

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 このラスク、ムーミンとムーミンママです。フィンランドの会社が販売しているクッキー型で型抜きをして作ったもの。もちろんクッキーも作れます。長年愛されてきたキャラクターたちだから、カタチだけでちゃんと誰だかわかるからたいしたものです。

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 こちらに並んでいるのはクッキー版、ムーミン谷の愉快な仲間たち。カタチだけでも楽しいけれど、目鼻をペインティングするとさらに面白さが増す。ムーミン、ムーミンママ、ミイ、スナフキン、ニョロニョロ。ムーミン谷の住人たちが生き生きと動き出す(かな?)。

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 チョコレート色とホワイトの2色、速乾タイプのチョコペンでデコレーションに初挑戦。これがなかなか難しい。線を引くためのチューブを押す力加減、特徴をあらわすための省略と強調。初挑戦でうまくいくほど甘いものではない。これはかなり練習しないと、です。

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 ひとしきりお絵かきに没頭。寡黙になります、意地になります。そして、達成感がすごくあります。出来上がりの良し悪しにかかわらず。であとは食べるだけ、なのですが情が移って・・・。エイヤ!っと勇気を振り絞ってガブリ。どんな名店のお菓子よりおいしくいただきました。

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2018年6月 4日 (月)

熊谷守一が映画になった

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 山崎努と樹木希林が画家・熊谷守一とその妻を演じる『モリのいる場所』が味わい深い。監督・脚本は『南極料理人』の沖田修一。明治13年(1880)岐阜県に生まれ、昭和52年(1977)に97歳で亡くなる熊谷。この映画は何十年も自宅の庭から外に出たことがないという、仙人のような暮らしぶりの、彼のある一日をとらえたものだ。

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 ベニヤ板にアリやネコやチョウを描いた熊谷。単純化されたフォルム、鮮やかな色彩・・・庭で見つけた小さな命たちを天真爛漫に描く。子どもの絵のようにも見えるその作品、じつは徹底した観察から生まれている。「アリは左の2番目の足から歩き出すのですね」。庭に寝転んでじいーっとアリを観察して発した言葉は有名だ。

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 金銭欲もなく名誉欲もなく、ひょうひょうと生きる夫婦。文化勲章の受賞も断ってしまう。ただ淡々と過ぎてゆく日々にも、時代の波は押し寄せる。沖田監督は、まわりを取り巻く人々と熊谷家のちょっとした出来事を、あたたかい目線でユーモラスに描く。「へたも絵のうち」と考える画家と彼をささえる妻。敬意と愛情に基づいた素敵な人間関係がじんわり伝わってきます。

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2018年6月 1日 (金)

下村優介のヌーベル切り絵

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 新しい発想の切り絵でアートに新時代を開いている下村優介さん。いま大阪高島屋7階で作品が展示されている。しかも下村さんによるワークショップも行われる。大阪アート&ハンドメイド バザールという企画イベント。切り絵って何となく古臭いイメージを持たれている方も多いかもしれません。でも、ここ5年ほどでガラッと印象が変わりました。

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 そんな新時代の切り絵アートを引っ張っている一人が、この下村優介さん。上の2点はポストカードですが、作品を少し浮かせて影をつけている。小さい画像なので、ちょっとわかりにくいかもしれなせんが。平面である切り絵をこんな立体的に見せる「見せ方」もモダンでしょ。アメリカやスペインでの展示やワークショップでも活躍する彼ならでは。

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 会場にはこんな撮影コーナーが設けてある。これも黒い壁面から少し浮かせて展示している。緻密にカットされた2羽の鳥。向かい合っていまにも跳びかからんとする闘鶏の決定的瞬間、かな? という緊張感あふれる作品です。上のほうの頭より鋭い爪が強調されて迫力がある。でもそれだけではありません。

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 この前に立って記念撮影をすると、ほらご覧の通り。天使になれましたでしょうか。お見苦しい姿でスミマセン。こんな遊び心がそれぞれの作品の随所に現れている。手先の器用さが強調されていた従来の切り絵。それに対して絵のテーマが斬新で、サイズや平面性の束縛から解放された下村アートはまだまだ進化を続けるでしょう。

OSAKA ART & HANDMADE BAZAAR
Collection  in 大阪タカシマヤ

2018年5月30日(水)~6月4日(月)

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