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2018年5月 9日 (水)

「泳ぎすぎた夜」が、いいです

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 雪で覆われた青森の小さな町。6歳の男の子のとても小さな、でも一生の宝物になるような冒険が始まる。ダミアン・マニヴェルと五十嵐耕平の共同監督作品「泳ぎすぎた夜」。ゆたかな時間とみずみずしい感覚にあふれた映像詩です。雪景色がうっとりするほど美しい。

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 この映画にはセリフがありません。ストーリーと言えるストーリーもありません。事件も起きません。ただ少年が雪の中を淡々と歩き、雪とたわむれ、迷子になり、疲れたら眠る。それだけです。われわれ観客は、勝手にハラハラしたり、心の中で拍手したり、ホッとしたり。こんなシンプルな構造でこれだけ引き込む力はすごい。

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 遠い昔こんな冒険をしたよなぁ、と大脳皮質の底から忘れていた記憶がよみがえってくる。鼻の奥がツンとなり、なにか懐かしいニオイが漂ってきました。タイムマシーンで昔に帰らせてくれる、言わばそんな働きをする映画。ストレスの多い現代に、ほのぼのビタミンをもらった感じです。

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 これはドキュメンタリーではありません。しかしドキュメンタリーよりもっと自然にもっと自由に少年(古川鳳羅くん)は演じています。そしてカメラは少年が動くのをそのまま追っている。ドキュメンタリーよりもっと編集の意図が感じられない。成り行きに任せる、悪く言えば行き当たりばったり。で、映画としてここまで完成度高く仕上がるとは。驚きです。

 

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