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2018年3月

2018年3月31日 (土)

ボス・ベイビーにメロメロ

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 赤ちゃんなのに、おっさん!? というキャッチフレーズのアニメーション映画がメチャ面白い。原作は2010年に発表されたマーラ・フレージーの絵本『あかちゃん社長がやってきた』。じつはこの家にやってきたのは、子犬(ペット)の人気に押されて赤ちゃんの人気が下降しているのに危機感を覚えた会社が派遣した経営者だった、という設定。

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 だから赤ちゃんなのに黒スーツにネクタイ、経営学の言葉を操るイヤなヤツ。そしてまだガキンチョの兄と協力して共通の敵に立ち向かう冒険物語。なのだが、子どもらしい嫉妬心や家族の絆などがうまく盛り込まれた、いかにもアメリカ人が好きそうな作品に仕上がっている。ハチャメチャで、お笑い満載で、皮肉も効いて、しんみりもする。大人の鑑賞に堪えられるのだ。

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 ちょっと誤算だったのは、春休み真っただ中だということ。映画館ロビーに小中学生およびその保護者があふれているから、ドラえもんはさすがスゴイなと思っていた。そしたら「ボス・ベイビー」のスクリーンにどんどん入って行くじゃないか。中はうるさくって失敗した!と思っていたが、上映が始まると静かにかつ熱心に見ている。すっかり引き込まれている、これはスゴイ。トム・マクグラス監督、お見事でした。

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2018年3月28日 (水)

早春の花咲く高山植物園へ

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 春の訪れを告げる早春の花々が鑑賞できる六甲高山植物園。学芸員さんの解説を聞きながら、園内を見て回る。きれいなピンク色したカタクリの花が咲いています。ちょっとした群生も見られてうららかな春を感じる。カタクリ粉は元はカタクリの根から作っていたが、いまはジャガイモやサツマイモのデンプンから作る。

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 梅の花によく似たバイカオウレンもまだ咲いている。キクザキイチゲ(菊咲一華)も薄紫色の可憐な花をつけている。菊に似た花を一輪だけつけることからのネーミング。また雪割草とも呼ばれ、新潟県の県花に指定されているオオミスミソウ(大三角草)。冬の雪の下でも枯れない常緑の葉が三角形をしていることから名づけられた。英語名は三角形の葉を肝臓に見立ててLiver leaf だそうだ。

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 小さく儚げで可憐な花が多い早春の山野。そのなかで異色なのがザゼンソウ(座禅草)。まるでダークサイドの生物のような暗い色味、大きく不気味な姿。でも名前の由来が、「お坊さんが頭巾をかぶって座禅をしている姿だということ。失礼いたしました。それぞれの花にまつわる雑学も交えてわかりやすく説明してもらえるガイドツアーはとても楽しい。また違う季節に参加したいと思いました。

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2018年3月25日 (日)

神戸もソメイヨシノ開花宣言

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 23日(金)に神戸海洋気象台がサクラ(ソメイヨシノ)の開花宣言をしました。平年より5日、昨年より11日早いそうだ。神戸の場合、王子動物園にある標準木で5輪咲いているのを確認したら宣言を出すという。気象台の職員が目で確かめる。東京は3月17日に開花。こちらは靖国神社に標準木がある。

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 ソメイヨシノは江戸時代末期にオオシマザクラとエドヒガンザクラを交配して作られた樹種で、自己繁殖力はない。だから挿し木や接ぎ木で増やす。つまり全国の公園や街路樹でふつうに見られる「サクラ」は、すべて遺伝子が同じ。クローンなのです。しかし同じ遺伝子だといっても個体差はあるようで、並んで植えられていても開花の時期は少しずつずれる。だから気象台も毎年同じ標準木を観察して、開花宣言を出す。

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 今年はいつもより早く咲き始めたソメイヨシノ。満開まではあと1週間ぐらいでしょうか。この暖かさだと、もっと早まるかも。それに対して、いま満開なのがレンギョウやユキヤナギ。ま、これらはサクラより花期が長く、ながらく目を楽しませてくれる。悪く言えばだらだらと咲き続ける。あまり感動が強くない。インパクトが弱いのですよ。

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 サッと咲いてサッと散る潔さが愛でられるソメイヨシノは、成長は早いけれど寿命が短い。わずか60年の命。ヤマザクラなら樹齢300年や500年、なかには1000年以上のものまで生きているというのに。やはり自然の力にはかなわないのでしょう。でも人工か自然かなんてどうでもよくて、この時期になると気分が高揚します。花見、花見と騒ぐのは日本人だけらしいけど、やはりいいものですね。

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2018年3月21日 (水)

ハクモクレンが満開です

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 元町の大丸の向かいに植えてあるハクモクレン。もう満開です。でも枝を刈り取られてすっかり小さくなってしまいました。電線に架かるようになったからでしょうか? 貧相になってかわいそう。六甲登山口のハクモクレンも電柱や電線を覆い隠すように枝を伸ばしているけれど、どうするのでしょう。

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 うちの近所でも神戸大学や松蔭女子大にハクモクレンが植えられている。元町の高架に近いほうにはコブシもある。これらは阪神淡路大震災のあとに植えられたものです。「白い花は亡くなった人の霊を慰める」と言われることから、建築家・安藤忠雄さんの提唱で始まった、ひょうごグリンネットワーク運動。全国からの募金やボランティアのおかげで、神戸は今年も白い花咲く春を迎えることができました。

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 今年は何年ぶりかの猛烈な寒波が襲来して「寒い冬」のイメージでしたが、3月に入ってから急に暖かくなりました。沈丁花のほのかな香りが漂っています。東京は早くもソメイヨシノが開花。神戸も例年よりだいぶ早くなりそうですね。ツボミもふくらんでいます。たくさんの生命が芽吹く春本番は、すぐそこまで来ています。

 

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2018年3月18日 (日)

極めつけ、愛のファンタジー

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 アカデミーの作品賞、監督賞、美術デザイン賞、作曲賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』。ギレルモ・デル・トロ監督が昔からあたためてきたアイデアを作品にしたそうです。種族(?)生物種(?)を超えた恋愛ファンタジー。ヴェネツィア国際映画祭でも金獅子賞を受賞している。さすが数々の栄誉に輝く究極のラブストーリー。感動しました。

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 「違い」を超えた愛。ロミオとジュリエットのような敵対する家族、身分社会が生み出す悲劇、あるいは人種による違い、文化の違いが生む葛藤はたくさんある。現代もカタチは変わってきたかもしれないが、偏見や無知による差別、格差社会から生じる故なき攻撃は後を絶たない。

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 愛という概念を持たない宇宙人がほのかに恋心を抱く、というインド映画の秀作がありました。スピルバーグのE.T.も素晴らしかった。でもギレルモ・デル・トロ監督のこの作品は、1962年のアメリカ政府秘密研究所を舞台に、もっともっと深く異種間の恋愛を掘り下げている。考えさせられることが多いのだ。

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 こんな風に書くとなんか堅苦しいようですが、まったく心配ご無用。ユーモアもあり、サスペンスもあり、とてもよくできたエンターテインメントなのです。ストーリーにのめりこみ、ぐいぐいと引っ張られ、あっという間に衝撃のラストへ。そして陶然となって静かに席を立つ。一年にいくつも出会えない、歴史に残る傑作だと思います。

 
 

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2018年3月15日 (木)

新作は「謎の女」シリーズ

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 今回の展覧会のために昨年と今年に描かれた新作が21点。「謎の女」と題されたシリーズです。描かれた女性は、すべて顔が隠されている。顔の中でもいちばん見たい眼元が見えない。その人の人格や魅力を決定づける要素は、顔や姿や服装だ。なかでも最大の要素は眼だと思う。それだけが見えないことへの苛立ち、その喪失感。

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 「謎の女」は女性のポートレート・シリーズだが、トイレットペーパーやキャベツ、石やカエルなど、まるで関係のない物質で唐突に覆い隠される。それによって私たちが無意識に判断する、優しそうな人、高慢な人、気品のある人、などという属性があいまいになり、不可解な謎の人になってしまう。死後のもう一つの世界の住人は、このようなあいまいな存在なのだろうか。

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 もうひとつ、顔が見えない、あるいは見せないことの意味を考えさせられる作品がある。髪の毛やヴェールで顔は隠れているが、服をはだけてこれ見よがしにオッパイを見せている。このギャップがとてもおもしろい。実体としての肉体は存在するけれど、人格(魂)はそこにはない。まるで「この世」と「あの世」に片足ずつかけているかのよう。横尾さんはこのような回路で、こっち側とあっち側を行き来しているのでしょうか。

横尾忠則の冥土旅行
Jouney to the Next World
2018年2月24日(土)~5月6日(日)
横尾忠則現代美術館

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2018年3月12日 (月)

横尾忠則さんの冥土旅行?

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 「人は死んだらどこへ行くのか?」 誰もが必ず迎える死、でも誰も知らない死後の世界。昔からあらゆる宗教家や哲学者が想像をめぐらし、さまざまなイメージを提示してきたあの世。横尾さんは普通の人以上に死に対する関心が深かった。若いころからずっと彼の作品には死の影と生の喜びが裏表の関係で表現されてきた。そしてダンテの『神曲』を愛読し、ウイリアム・ドレイクやギュスターブ・ドレの挿絵にインスピレーションを受けて作品に引用したりもしている。地獄、煉獄、天国を旅する物語。

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 死のイメージが漂う赤のシリーズの原点は、少年時代に故郷・西脇で見た神戸大空襲で燃える夜空だそうだ。真っ赤に染まった山の向こうの遠くの空。美しく妖しく不気味に見えた印象が強烈だったようで、繰り返し妖しい赤が現れ観る者を不安にさせる。描かれたモチーフが牛若丸と弁慶やシンドバッド、モーツァルトターザン、宇宙蛍や暗夜行路だったとしても、幼いころから身近に感じていた死後の世界が色濃く反映されている。それはかけ離れた世界ではなく、現実のすぐ隣にある、どこか心休まる場所。行ってしまうと帰れない「冥土への旅」ではなく、行きつ戻りつしながら楽しむ「冥土旅行」。そんな旅行代理店ができると繁盛するでしょうね。

横尾忠則の冥土旅行
Jouney to the Next World
2018年2月24日(土)~5月6日(日)
横尾忠則現代美術館

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2018年3月 7日 (水)

NOMUGIもシーズン終盤です

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 奈川高原の野麦峠スキー場 NOMUGI。春の嵐が吹き荒れた後、すっかり春めいてきました。まだまだ氷点下になりますが、最高気温が10℃を超える日もある。おまけに大雨の日があったりして、一気に雪が融けてしまいました。シャーベット状になった雪は重くなり、融けて凍った上にまた雪が積もって、と難しいコンディションになってきた。スキーシーズンも終盤にかかりました。

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 それでもゲレンデの上の方と下の方とで、スキーの大会とボードの大会がそれぞれ開催された日などは、第二、第三駐車場までいっぱいになる盛況。Photo_3 実況中継と解説者も本格的だ。冬のオリンピックの熱冷めやらぬこの時期、出場した選手たちもその気になって滑っていた。ちょっと褒めすぎかもしれませんが。ま、それにしても、すこしずつスキー・ボード人口が増えてきたような気がするのは、喜ばしいことです。来シーズンはさらなる賑わいを期待しましょう。

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 今シーズンのトピックスは、レストハウスに土日だけオープンする 2130 COFFEE の開店。店名の 2130 はリフト最上部の標高2,130mにちなむ。三軒茶屋の名店「オブスキャラ」が焙煎した豆で淹れてくれる。スキー場とは思えない美味しさ。驚きと、感動と、じわっと喜びがこみあげます。

2130
 本日のコーヒーのご紹介です。★エチオピア「イルガチェフ農園」 焙煎:Medium 精製:ナチュラル 柑橘類の甘酸っぱさ、丸みのある口当たり フルーティなコーヒーです ★ブラジル「ベレダ農園」 焙煎:Fullcity 精製:ウォッシュ ナッツのような香ばしい甘みと苦み バランスのよいコーヒーです と、丁寧に説明してくれているけど、写真で撮ると違いがわかりません。当たり前だ。でした!
 

 

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2018年3月 4日 (日)

空海が歴史の謎に挑む

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 8世紀。遣唐使として中国へ渡った若き空海が、唐の都・長安で詩人・白楽天とともに楊貴妃の死にまつわる謎解きに挑む。夢枕獏の原作を巨匠チェン・カイコーが監督したエンターテインメント大作『空海 KU-KAI 』。史実と想像を織り交ぜてまとめた、スケールの大きい日中共同製作映画です。

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 シャーロックホームズとワトソン博士の活躍を1200年前の中国に持ってきたようなストーリー展開。歴史上の有名人が多数登場し、そのなかに創作されたキャラクターがうまくからむ。原作は読んでいませんが、文庫本(角川書店)で4冊。こんな長編からどこをチョイスして映画として完結させるか、監督の手腕が問われますが、見事に新たな作品に仕上げている。

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 その昔、高校の漢文で一部を習った白楽天の長恨歌が大切なモチーフとなったり、歴史で習った遣唐使のこと、阿倍仲麻呂や安禄山もでてきたり、受験勉強の復習をしているような気分になりました。長安の街を再現した広大なセット、きらびやかな宴やコスチューム。映像の美しさも素晴らしかった。楽しくてしかも見ごたえのある大作です。
 

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2018年3月 1日 (木)

アイヌの魂を彫る藤戸竹喜

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 現れよ。森羅の生命 ー とサブタイトルのついた展覧会 『木彫家 藤戸竹喜の世界』が、国立民族学博物館で開催されている。観光土産のクマを彫る職人・藤戸竹喜が、オリジナルの彫刻作品を作るようになって40数年、見事に才能を花開かせた。クマやオオカミ、エゾジカ、ウサギ、シャチやラッコ、そして先祖たち。自然と共に生きたアイヌ民族のアイデンティティーと誇りをカタチに表している。

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 クマもオオカミも尊敬の対象であり、彼らも人間に危害を加えることはなかった。それが明治以降、本州から人がいっぱい入ってきて原野や森を開拓し、生活圏がダブるようになってしまった。その結果オオカミは害獣として明治半ばに絶滅させられた。動物も植物も、こうして自然は人間あるいは文明化の犠牲になる。世界中で起こったことと同じ。アイヌの文化も犠牲になっている。

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 木彫に使う材料も、クルミ、イチイ、シナ、エンジュ、クス、ウォールナット、ニレの埋もれ木など、北海道に生える木を多彩に使っている。これにも意味があると思う。サブタイトルにもあるように、作家は森羅万象あらゆる生命を讃える作品を作り続けているのだ。ここには生きる喜びや悲しみ、怒りや諦めが現れている。自然とは何か? 人間とは何か? 文明とは何か?

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 決まったポーズの観光客向けの熊を彫り続けるだけでは飽き足らず、新しい表現世界に踏み出した藤戸竹喜。すべて一本の木から彫り出される約90点の作品には、アイヌ民族の歴史と魂がこもっている。それだけにとどまらず、私たちすべての問題を含んでいるから感動を受けるのでしょう。まだまだお元気に制作を続けていってほしいと願っています。

現れよ。森羅の生命 ー
木彫家 藤戸竹喜の世界
2018年1月11日(木)~3月13日(火)
国立民族学博物館

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