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2018年2月10日 (土)

人は奇跡に飢えている

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 神、天使、あるいは悪魔、あるいは宇宙人。理解を超絶する物事に接したとき、ある種の超能力を目の当たりにしたとき、人々はその存在を畏れ敬う。これが最もプリミティブな宗教体験かもしれない。世界のさまざまな地域の神話や、宗教・宗派の創始者の事績。それらは自然現象を含めて、当時の人たちを畏れさせた。まさに、未知との遭遇。コーネル・ムンドルッツォ監督の「ジュピターズ・ムーン」を観て思い浮かべた妄想です。

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 新大陸発見の後、馬を知らなかったインカ帝国の人たちはスペインの騎兵たちを神だと思って畏れて逃げたそうだ。だから歴史ある帝国はあっけなく滅んだという。これを科学が未熟だから、情報が少ないから、無知だから、と笑うことはできない。いまも事情は大して変わらないと思う。分かっているつもりでも、何も解決できない。平和がいいと分かっていても争いは続く。自由、民主主義、科学的思考。世界の進歩をリードしてきたヨーロッパで、いま起きている難民問題やテロや排他主義。人類の英知が結集しているはずなのに。

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 そしてこんな問題山積で不安な日々が、奇跡を熱望する。救世主を待ち望み、神や天使を生み出す。宗教が機能する素地はじゅうぶんだ。しかし既成の宗教は形式化してしまい、儀式を行うだけの存在になってしまった。残念だけれど、現代人の受け皿にはなりえない。ムンドルッツォ監督はこのような閉塞状況を見つめて、ささやかな希望のおとぎ話を作りたかったのかもしれない。ちなみに作品タイトルの「ジュピターズ・ムーン」は、木星の月「エウロパ(ヨーロッパ)」にちなむそうです。

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