« 静かで厳しい白い世界へ | トップページ | ボストン美術館から珠玉の名品 »

2017年12月13日 (水)

レヴァイン指揮、METの魔笛

Photo
 METでは過去にシャガールやホックニーによる舞台美術の「魔笛」を公演してきたそうだ。今回のはミュージカル「ライオンキング」の演出でも有名なジュリー・テイモア版。歌舞伎の隈どりのようなメイク。ロシアアヴァンギャルド風のコスチューム。これも歌舞伎にヒントを得たのか黒子が操る巨大なモペット・・・。カラフルで斬新な美術、思いっきりファンタジーしてます。そしてとても分かりやすい。楽しい。

Photo_2
 {魔笛」はモーツァルトの最後のオペラ、というより大衆演劇。王侯貴族のためのオペラハウスで上演される作品ではなく、友人のシカネーダーが台本を書いて演じた歌芝居です。だから、イタリア語でないとオペラじゃない、と言われる時代にあって民衆にも理解できるドイツ語で書かれている。映画「アマデウス」では熱にうなされ死にそうになっているモーツァルトの病床に、初演の成功をシカネーダーや歌手・役者たちが報告に来るシーンがある。

Photo_3
 ところが当時は大衆演劇だったが、今や世界の名だたるオペラハウスが取り上げる大人気オペラになっているからおもしろい。フリーメイソンの思想を表現した勧善懲悪ストーリー。恋と冒険の物語。よく耳にしたことがあるチョー有名アリアが満載。初めて見る子どもからうるさがたのオペラ通まで、あらゆる人を魅了する要素が詰まっています。エンターテインメントの天才、モーツァルトの面目躍如ですね。

Photo_4
 このような有名作品だから、観客もいろんな演出や指揮の「魔笛」を見てきている。だから演出家や指揮者の解釈、歌手の表現力を、記憶の中の名演と比較しながら楽しんでいる。古典落語や歌舞伎と同様に『芸』を楽しむ演目だ。特に夜の女王の超絶コロラトゥーラやザラストロの超低音、車椅子の巨匠ジェイムズ・レヴァインの指揮は、まさに名人芸。今年10月14日公演のライブ映像、あっという間の3時間42分でございました。
 

|

« 静かで厳しい白い世界へ | トップページ | ボストン美術館から珠玉の名品 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180264/66148548

この記事へのトラックバック一覧です: レヴァイン指揮、METの魔笛:

« 静かで厳しい白い世界へ | トップページ | ボストン美術館から珠玉の名品 »