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2017年11月12日 (日)

内村鑑三と石の教会

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 軽井沢の星野リゾートエリアに、内村鑑三の思想を具現化した石の教会がある。ケンドリック・ケロッグの設計によって1988年に建てられた、唯一無二なオーガニック建築だ。自然の森の中に、重なり合う石のアーチとそのすき間のガラスのアーチ。うずくまる恐竜のようでもあり、太古からこの地に存在した巨岩を掘り起こしたようにも見える。
 「屋内も自然そのもの」という理念のもと、「生きている建築」を実感できる。ふりそそぐ光、水は流れ、緑は光合成をし、木々は呼吸し、石は静かにたたずむ。

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 内村鑑三については名前は知っているが、その業績についてはよく知らない。それで説明文などをもとに書きます。スミマセン。内村は明治・大正時代の思想家・キリスト者で、無教会主義を唱えた。教会とは建物や制度のことではなく、祈りたい人が心から自由に祈れるすべての場所が真の意味での教会である、という思想。石の教会は何ものにも縛られない純粋な自分を感じることができる無垢な祈りの場だ。だから十字架も祭壇もない。もはやキリスト教という宗教も超えているのかもしれない。

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 教会の地下が資料展示室になっており、自作の言葉を書いたユニークな直筆や新渡戸稲造やクラークと写った札幌農学校時代の写真。アメリカ留学時代から教員、新聞記者、伝道者などをしながら、聖書の研究に一生をかけた内村鑑三。『余は如何にして基督信徒となりしか』や『代表的日本人』などの著書や、不敬事件や足尾銅山鉱毒被害者の支援、非戦論など社会活動家としても稀有な存在だったのだ。

石の教会 内村鑑三記念堂

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