ゴッホの名画が動き出す!?
この映画『ゴッホ 最期の手紙』は全編が動く油絵でできている! ゴッホ最期の日々を実写映像で撮影。その1コマ1コマが世界中から集められた125名の画家の手で、ゴッホタッチの油彩画に描かれ、アニメーション化されているのだ。総枚数62,450枚、1秒当たり12枚の高精細写真で構成された動く絵画。
良く知っている肖像画だったり風景画だったりを、元の作品と同じ場所、同じアングルで、よく似た俳優さんが演じているものだから、まるでゴッホの名作が動き出したかのよう。でもポスターになっている絵も、いかにもありそうだがこんな自画像は存在しない。すべて、「いかにもありそう」な絵を映像化したもの。見事に100%以上、ゴッホのイメージです。
この映画の魅力は、映像手法の新しさだけではない。ゴッホの死の真相に迫るミステリーとしても、とてもよくできている。時代設定を彼の死後間もない時期にしているので、彼の作品に登場する友人、知人たちが登場し、それぞれ事実を語り見解を述べる。しかしそれらを聞いても『藪の中』で、彼の死の謎はなかなか解明されない。
この映画は、ゴッホの独特なタッチの映像で謎解きのストーリーを展開する。つまり自作の絵で自分の死の真相を探る、というちょっと倒錯したおもしろさがある。監督・脚本はドロタ・コビエラとヒュー・ウェルチマン。アートとしての刺激、天才の生きざま、時代と人間・・・何層にも見どころが重ねられた圧巻の映画でした。
ゴッホ 最期の手紙
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