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2017年10月13日 (金)

サラ・バラス? 知りませんでした

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 フラメンコのドキュメンタリー映画、と聞いてもあまり興味はわきませんでした。でもうまく時間が合ったので観てみたら、これがスゴイ! 革新的! 現代最高峰のフラメンコダンサー、サラ・バラスが、パコ・デ・ルシア、アントニオ・ガデス、カルメン・アマジャなど今は亡き6人の巨匠に捧げるオマージュ『ボセス フラメンコ組曲』の、わずか3週間しかない準備と稽古、パリの初演、NYやメキシコや東京そしてスペインのカディスと続く世界ツアーの記録です。

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 超高速ステップ、指先まで神経が行き届いた表現力、信じられない超絶テクニック。今まで見てきたフラメンコとは、まったく違う。小学校の運動会とオリンピックの決勝ぐらいの差。肉体の極限まで挑むコンテンポラリーダンス。厳しい修業をした者が神の領域に近づいた姿。例えがバラバラで支離滅裂だけれど、スゴイ!と感動したことはおわかりいただけるでしょうか。そしてパフォーマーとしてだけではなく、企画、構成、演出をし、公演チームのリーダーとしてプロジェクトを引っ張っていく超人的パワー。

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 まさに天才としか言いようのない彼女が、「努力」という言葉をよく口にする。「努力しない者には我慢できないの。さっさと消えて欲しいわ」。公演の仲間たちにも厳しく要求する。そしてそのなかで誰よりも努力しているのがサラなのだ。努力という名の水をあげ続けた者だけが才能の花を咲かせることができる。これは彼女の信念だ。フラメンコには強くストイックだが、この映画では私生活での弱さや人情味も伝えてくれる。彼女の人間性、神ではなく人間としての魅力。

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 フラメンコは何度か見て、だいたいこんなものか、とわかったつもりでいた。思えばフラメンコに限らず食わず嫌いで心と感覚を閉ざしていたことが多かった。なににでも門戸を広げて、心を真っ白にして、自分自身に素直になって、もっと知り学ぶべきなのだ。世界は思っていたよりおもしろい。人間は思っていたより素晴らしい。きっと。70歳を前にして気付きました。「もっと見る、聞く、感じる。さぁこれから黄金の20年が始まるぞ」、と思うのは欲張り過ぎでしょうか。

パッション・フラメンコ
監督:ラファ・モレス、ペペ・アンドレウ
出演:サラ・バラス、ホセ・セラーノ、ティム・リース

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