プラントハンターのお仕事
メリケンパークにFISH IN THE FORESTというカフェができている。フランク・ゲイリーの巨大な建築(オブジェ)「FISH DANCE」の隣りで、以前はフィッシュホールと呼んでいたところ。いま話題のプラントハンター・西畠清順さんがTOOTH TOOTHと組んで作った、南国の珍しい植物に囲まれて食事やお茶を楽しめるスペースです。大きな吹き抜けがある温室、といった雰囲気ですが、温室独特のむっとする湿気はありません。とても爽やかです。
高さ10m以上あるヤシの木やトロピカルの観葉植物、不思議なカタチをした多肉植物やエアプランツのあいだに、席が設けられている。ただ単に熱帯雨林の樹木を集めたのではなく、乾燥地帯に生える植物も。地球という星の植物園、と呼べばいいのでしょうか、地域もアジア、アフリカ、中南米と広く世界から集められている。癒しより、驚き。イマジネーションが刺激され、精神が活性化する。緑の効用は奥深いんだなあ、と感嘆する。
三宮の国際会館11階にある「そらガーデン」。ここも西畠さんが手がけた庭園ですが、スペインのアンダルシア地方から運んできた樹齢500年というオリーブの巨木がある。この木の話はTV番組(たしか「情熱大陸」だったと思う)で紹介されたからご存知の方も多いでしょう。輸送の苦労、検疫の苦労、根付かせる苦労・・・人がやらないこと、誰もやれないことを成し遂げるのは並大抵の努力ではないと思う。
日本の植生と違う植物を持ち込むことには賛否両論あるでしょう。しかし近代ヨーロッパで始まった植物園の功績は、プラントハンターが命がけで収集してきた見たこともない植物を観るだけではなく、科学の発展や世界の多様性、さらには人間の知覚や意識の拡大にとても大きい影響を与えたことだと思います。世界中の情報が瞬時に入ってくる現代だからこそ、バーチャルではなく現実に見て触って想像を巡らせることの大切さが、より一層際立つように思います。
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