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2017年9月

2017年9月28日 (木)

個人的な思い出のHANGA

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 横尾忠則 HANGA JUNGLE 展は、いろいろ個人的に思い出すことが多かった。申し訳ございませんが、しばしお付き合いのほど。
 まず少年マガジンの表紙。「巨人の星」と「あしたのジョー」を使った画期的なデザインが、30年近く後に、シルクスクリーンの作品になっていた。もちろん少年週刊誌サイズよりずっと大きい。この表紙は私たち前後の世代がみんなビックリ!驚き!喜んだ!ものです。こんなことができるんだ!と勇気づけてくれて、この後のデザインの世界がずいぶん自由に変わったんだから。雑誌は置いとくと場所をとるのでどんどん捨てるんだけれど、これだけは永らく取ってました。いまはもう処分してます。

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 もう一つはTV番組のタイトルバック制作を横尾さんに依頼したときのこと。もちろんポスターや新聞広告もお願いしてるんですが、表現がまったく別なので、これはTVの話です。収録の当日横尾さんが持ってきたポスターが「性風景」というシリーズ。これをスタジオに並べてTVカメラで撮影すると言う。TV局のプロヂューサーやディレクターがあわてて「これはちょっとマズイですぅ~」と悲鳴。でも「大丈夫です」と取り合わない。(展覧会で実物をご覧ください)
 じつはタイトル名も出演者名もぜんぶ横尾さんが書いた筆文字を黒バックに抜いて、横パンで撮影した映像をそこに映し出すという構想。だから強い色がチラチラするだけでアブナイ絵は見えない。40年以上も前の話。横尾さんもビデオ編集なんて初体験で、「こんなことできる?」、「こーしたいんだけど」と、5分足らずのタイトルづくりを15時間もかけて徹夜で楽しんでおられました。私も朝まで付き合いましたよ。さすが天才!アイデアがいくらでも湧いてくるんだと感心したのを思い出します。

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 こちらはリサ・ライオンです。こんなムキムキの女性を見たのは初。彼女は社会現象にもなりましたから、ある程度の年配の方なら覚えておられるでしょう。それで当時の会社の同僚が、横尾さんにリサ・ライオンを使った神戸ユニバシアード大会の公式ポスターを依頼したのです。
 六甲山の山中で横尾さん立会いのもと撮影した写真の上に、デッサンの描線を重ね、そこらじゅうの色を変えて仕上げるようにという暗号のような指定原稿。どんな仕上がりになるか想像できない印刷屋さんが作ってきた校正刷りが、「まったくダメ、全部やり直し」と横尾さん。平凡な印刷屋さんは常識的に「空は青く、肌の色は肌色で」と懸命に直してきた。指定通りにやるとゼッタイNGに決まってると。ま、何とか完成しましたが傍から見ていても大変そうでした。

横尾忠則
HANGA JUNGLE展

2017年9月9日(土)~12月24日(日)
Y+T MOCA 横尾忠則現代美術館

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2017年9月25日 (月)

横尾忠則さんのHANGA

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 日本では(特にアートの世界では)版画はアートだけれど、ポスターなどの印刷はアートじゃなくて商業デザインだから一段下だ、と思われている。でも英語ではどれもプリントです。写真作品もプリント。つまり複製された作品は、みんなプリントと呼ぶ。現代はオフセットやグラビアといった高度な技術が生まれて、安く大量に複製が作れるようになりましたが、江戸時代の日本なら木版画、ロートレックのころはリトグラフが複数枚制作する最新の技術だったわけです。

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 柔軟に自分の表現を追求する横尾さんにとっては、木版画、リトグラフ、シルクスクリーン、エッティングなどの作品と、オフセット印刷のポスターやカタログも同列のアート表現。アタマの固い評論家やマニアをあざ笑うかのように、古い時代の境界を飛び越えてそれぞれの創作にとって自身がベストと考える技法を取り入れる。しかもその作品群は膨大だ。あふれ出るアイデアに実制作が追い付かないんじゃないでしょうか。

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 いま横尾忠則現代美術館で開催中の「横尾忠則 HANGA JUNGLE」展。『版画』ではなく『HANGA』。ポスターのようなHANGA、絵画のようなHANGA、巨大なHANGAが約250点も展示されている。1960年代から今日まで、創作活動の大きな柱として縦横無尽に取り組んできたHANGAがアーティストの全貌を明らかにする。従来の版画のイメージを変えてしまう超版画。それらで埋め尽くされた展示空間は、つねに走り続け、スタイルを変え続ける作家が生み出した、多種多様な生態系が共生するジャングルを思わせる。ということでHANGA JUNGLE展というタイトルだそうだ。

横尾忠則
HANGA JUNGLE展

2017年9月9日(土)~12月24日(日)
Y+T MOCA 横尾忠則現代美術館

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2017年9月22日 (金)

オリーブの樹と「おおきな木」

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 神戸の街にオリーブの樹! 大丸創業300周年にあたり、神戸店一階に推定樹齢300年の大樹がお目見えしました。仕掛け人はプラントハンターとして世界中から珍しい植物を集めてくる、今をときめく有名人の西畠清順氏。そのトークショーに馳せ参じました。
 予想していた通り、無造作に束ねたカーリーヘアーに白いTシャツ、ジーンズ、素足にサンダル・・・。どこにでもふわっと出没して、周りの空気に溶け込んでしまう方なんでしょうね。

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 とても印象的だったトークを少し。「皆さんが今、ご覧になっているこの巨木のオリーブは、もはや実を付けなくなった老木。だからまな板とかスプーンとか、加工品になる運命だったんです。それを買い付けて運んで来ました、スペインから。僕がこの仕事で心がけている大事なことは“その木を生かすこと”。生かすって活かすでもあるんです。僕は15年間、生花の花を摘んで、摘んで、これって生花なのに、まずは花を摘んで殺すところから始まるやないかと・・・」。
 過酷な、大いなるプレッシャーとの戦いであるプラントハンターと言う仕事を、生き生きと常に笑顔でこなされる、その理由を垣間見た気がしました。

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 私、ちょっと思っていたんです。「せっかくその地に根付いている木や植物を、わざわざ金儲けのために運んでくるなんて・・・」。これ、大いなる間違いですよね。木は安住なんて望んでいない。遠くに運ばれても、そのために土を落とされ、枝を切られたって何だって構わない。そのおかげでまた蘇って実をつけるようになるのなら。生き延びて、子孫を残すことが出来れば。それが遠い異国だって、へん!望むところだい!
 西畠氏の尽力で鮮やかに息を吹き返したオリーブの樹を後に、ふと最近息子がプレゼントしてくれた絵本のことを思い出しました。

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 言わずと知れたシェル・シルヴァスタインの世界的ベストセラー「おおきな木」(あすなろ書房)。りんごの巨木は大好きな一人の少年に葉も実も枝も与え続け、やがて切り株だけになってしまいます。すっかり年老いた青年が切り株に力なく座り込むラストのシーン。以前から私はこの絵本を何処かで読んでいましたが、あまりにも悲しくて、とても絵本を購入する気にはなれなかったのです。でも息子が言いました。「何度も読んでみるといいよ。訳者である村上春樹氏が書かれているように、その折々で感じることが違ったりするから」。
 確かに。少なくとも「木はかわいそう」ではないと・・・。西畠氏のトークとは矛盾しているかもしれません。でも木の想いに、その木の想いに耳を傾けてみると、どちらの木も幸せなんですよね。遠くから運ばれて蘇ったオリーブの樹も、切り株になって、大好きな年老いた青年をそこに迎えたおおきな木も。
 木の幹に手を当ててその木と対話する。言葉を発しない木は、だからこそ多くの事を伝えるのかもしれません。これから先もこの絵本を何度も読み返すことにいたしましょう。

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2017年9月19日 (火)

感動!ロイヤルオペラの「オテロ」

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 英国ロイヤルオペラハウスの2016-2017シーズン最後を飾る、6月28日に演じられた全4幕物のオペラ『オテロ』の中継映画。文句なしにすばらしかったです。ウイリアム・シェイクスピアの原作を、ジュゼッペ・ヴェルディがオペラ化。文学の巨匠と音楽の巨匠、時代は違うけれどこの二人が創り上げた作品がおもしろくないはずはない。息をするのも忘れるほどの緊張感で最後までぐいぐい引っ張られました。終わってやっとフウッと息を継ぐ。

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 小さな疑念が嫉妬となり、コントロールできない大きな怒りに膨れ上がる。そしてその怒りは自分自身をむしばみ壊し、まわりの人々を傷つけ、すべてを滅ぼしてしまう。この心理劇を見事な歌唱力と演技力で表現したオテロ役のヨナス・カウフマンが見事です。愛の深さと信じてもらえない哀しみを体現したデスデモナ役マリア・アグレスタ。まるで悪魔の申し子のような邪悪なイアーゴを怪演したマルコ・ヴラトーニャ。ヴェルディが当初このオペラのタイトルを「イアーゴ」にしようと思っていたほどの、影の主役です。感動的な歴史に残る名舞台でした。

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 シェイクスピアの作品はイタリアを舞台にしたものが多い。「ヴェニスの商人」や「ロミオとジュリエット」、そしてこの「オセロ Othello」。『オテロ Otello』の舞台はヴェネツィア共和国領だったころのキプロス。でも彼は生涯にイタリアを旅したことはなかったとも言われている。行ったか行かなかったかはどちらでもいいけれど、イタリア関連の文献をよく研究していたのは間違いないだろう。

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 音楽監督・指揮者のアントニオ・パッパーノと演出のキース・ウォーナーも大きな貢献をしている。そして幕間のインタビューでも触れられていたが、合唱団の力量も抜きんでていた。美術もコスチュームも含めて、オペラというのは本当に多くの才能が結集してはじめていい作品に結実するのだ、と実感しました。
 ロイヤルオペラハウスの中継映画シリーズ。また次の2017-2018シーズンに期待です。さらにはロンドン コヴェントガーデンまで観に行ける日を楽しみに。

英国ロイヤルオペラハウス シネマシーズン

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2017年9月16日 (土)

奈川のソバが育っています

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 7月末に種まきをした秋ソバが順調に育っています。種をまいてわずか4日後には芽を出したソバ。Photo_5 それがいま満開の花盛り。ソバはもともとやせた土地にできる救荒作物。生命力が強い植物だ。米がとれない奈川では、昔から村のあちこちでソバが植えられていた。1200mから1300mと標高が高く冷涼な気候の奈川のソバ『奈川在来種』は、日本一おいしいと言われている。(TV番組「秘密のケンミンSHOW」?で、そう紹介された) 収穫量が少なく、手に入りにくい幻のソバ。小粒だけれど、香り高く味が濃い。

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 その奈川の在来種を、1区画借りた畑で育てている、というわけ。あぜ道には白とピンクのゲンノショウコがいっぱい咲いている。ススキも穂を輝かせている。畑からの眺望がまた特別すばらしい。正面に乗鞍岳、右手に西穂高岳、ジャンダルム、奥穂高岳、前穂高岳と並ぶ。高原の澄んだきれいな空気を吸い、こんな絶景を見て育ったらおいしくないはずはない。と、確信しております、はい。

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 このブログで7月19日の「ソバの花と栗の花」という話を書きましたが、7月に咲いていたのは夏ソバ。そこでもふれているソバの花のニオイ。どこに養鶏場があるのだろう?と、まわりをきょろきょろ探すぐらい、そこら中がまさに鶏ふんをまき散らしているかのよう。おいしい味覚をもたらす美しい白い花が、こんなに臭いニオイをまき散らしてるなんて。意外でしょ。でもこのニオイに誘われて集まったハチやチョウ。蜜を吸いながら、知らないうちに受粉に利用されている。人間にとって不快なニオイも、子孫を残すためのしたたかな戦略だと聞きました。

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 さて収穫は霜が降りる前の10月下旬の予定。種まきから3ヶ月足らず、成長が早いです。そして脱穀して、粉にひいて、蕎麦を打って(ただしすべてプロに助けてもらいながらですが・・・)、しみじみ味わう。サイコーでしょうね、きっと。いまから楽しみにして待っています。ただし、その時期に遅めの台風が来なければいいのですが。祈るしかありません。

 

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2017年9月13日 (水)

建築の面から見た ラ コリーナ

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 ラ コリーナ近江八幡の緑あふれる建物群を設計した建築家・建築史家の藤森照信さん。屋根にいっぱいタンポポが植えられた自邸のタンポポハウス。ニラが植えられた赤瀬川原平さんの家。浜松の秋野不矩美術館。多治見モザイクタイルミュージアム。そして高い木の上にある高過庵など想像を絶する茶室建築の数々で知られている、世界の誰とも似ていない稀有の建築家です。

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 メインショップの屋根は芝生が植えられ松の木まで生えている。自然のまま(不揃い)の栗の木の柱列。壁は土壁。床は石。自然素材を使ったまるで縄文時代のような、あるいはアフリカの少数部族の住居のような、また逆に何千年も未来の建築物のような不思議さ。見たことのない体験なのだが、とても懐かしい。世界にやさしく包まれる感覚。

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 内部も漆喰に炭片がいっぱい貼り付けてある天井や、均一の平面じゃない昔風の窓ガラスなど、随所にこだわりが見られる。カフェのテーブルやイスもごつごつした削り跡を残した栗材と鉄でできている。そして中央の大きなテーブルには、なんと緑の寄せ植えまで。癒しを通り越して、楽しいファンタジーの世界。

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 田んぼを囲むようにめぐらされた回廊。田んぼの中に設置された小人の住居のようなオブジェ。ドアがあり窓があり、そして屋根に松が植えられている。銅板で葺かれた本社の大きい建物。もともと生えていた大木は屋根を突き抜けている。それら人工の建造物が田んぼや段々畑や植木を育てる農園と違和感なくつながって、美しい夢の景観を形作っているのが素晴らしい。

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 エコロジーやサステナビリティ、環境や自然保護というと、理念ばかり先行して味気ないものになりがちだ。でもここラ コリーナには遊び心がいっぱいで、見学や買い物に来た人はもちろん働く人もみんなイキイキしていて気分がいい。とても中身が充実した野外芸術祭で、アートやイベントを存分に楽しんだような満足感を得られました。クライアントの熱意と建築家のアイデアに脱帽です。

ラ コリーナ 近江八幡
滋賀県近江八幡市北ノ庄町615-1

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2017年9月10日 (日)

ラ コリーナは近江八幡の原風景

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 明治5年(1872年)に近江八幡で生まれた和菓子の「たねや」が、創業の地に作っているユートピアが『ラ コリーナ』。La Collina はイタリア語で丘を意味する言葉だそうです。八幡山のふもと、ゆたかな自然と一体になってショップやカフェやレストラン、菓子工房やパン工房が点在する。まだ進行中のプロジェクトのようですが、すでに十分魅力的だと思います。日本古来の植生、生物の多様性。ここが目指すものは、私たちが孫子の代まで大切に守らなければならないもの。

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 お菓子とその素材を提供する農業、そして幸せな暮らしを考えた場づくり。50年後100年後を見すえると、まずそれらを取り巻く自然環境を整えないといけない。そんな哲学が感じられる施設です。しかも決して理屈っぽくはなく、子供から大人まで楽しめるスペースになっている。「たねや」という企業の強い信念と高い文化度が伝わってくる。方向性は違いますが、ベネッセの直島アートサイトと同じ感動を覚えました。

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 敷地内にはバッタもいる。蝶も飛んでいる。秋の虫もうるさいほどの声で鳴いている。驚いたことにラ コリーナの真ん中には田んぼがあるのだ。刈り終えた稲束が懐かしい姿で干してあった(地方によって異なるがイナキ、ハサ、ハデなどと呼ぶらしい)。ここでは田植えや草取り、稲刈りなどの体験学習もしているそうだ。見るだけではなく、参加できる行事があるっていいですね。

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 あぜ道にはツユクサやオミナエシが咲いている。木々だけではなく雑草と呼ばれるような草まで植栽して、それこそ絶滅危惧種になりつつある日本の原風景を復活させている。この日も畑や田んぼの世話をしている人を何人も見かけました。昔は日本中どこでも見られた光景にちゃんと戻すための大変な苦労と努力。名画の修復作業に似ているかな。

ラ コリーナ 近江八幡
滋賀県近江八幡市北ノ庄町615-1

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2017年9月 7日 (木)

KIITOのロバート・フランク展

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 神戸港に輸出のための生糸検査場があった。その建物を利用して生まれたデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)。さまざまなアートイベントや展覧会に利用されている。いまメインスペースで開催されているのが 「ロバート・フランク:ブックス アンド フィルムス,1947-2017神戸」。
 ロバート・フランクは1924年スイスのチューリッヒ生まれの92歳、ニューヨークとカナダ・ノバスコシア州に住む20世紀を代表する写真家のひとり。革新的な写真術と独自の視点でストリート・フォトグラフィーを創始し、現代写真に大きな影響を与え続けている。と説明されているが、恥ずかしながら彼のことを知りませんでした。

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 この展覧会は展示方法がおもしろい。天井から高さ5mぐらいの垂れ幕が何十本も吊り下げられている。これは新聞用紙のロールにプリントしたものだ。彼自身のオリジナルプリントが数千万円にも高騰した写真界の現状を嫌い、展覧会終了後すべて破り捨てられるというものだ。市場に出ることなく、この世から消えてなくなる。この展示アイデアを聞いたフランクは、「安くて早くて汚い、そうこなくっちゃ!」と言ったという。ちょっといい話だと思いませんか?

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 彼の作品を観ていてハッと気付いた。ケータイ写真、スマホ写真の元祖がフランクなんだ! ストリート・フォトグラフィーの完成形はインスタやユーチューブなんだ! そう考えると納得できる。いまや誰でもいい写真を撮るチャンスはある時代だ。どんな時に、どんな場所にいるか。何を見るか、何を感じるか。
 写真の本質は、現場の記録。そしてきわめて個人的な記憶。残す意味があるかどうかは、世界の記録、社会の記憶として歴史的価値のある文化遺産かどうかにかかっている。プロとアマチュアの境をなくし、ビジュアルコミュニケーションの道を切り拓いたロバート・フランク。お時間があればどうぞ。

Robert Frank:
Books and Films,1947-2017 in Kobe

2017年9月2日(土)~9月22日(金)
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)

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2017年9月 4日 (月)

プラントハンターのお仕事

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 メリケンパークにFISH IN THE FORESTというカフェができている。フランク・ゲイリーの巨大な建築(オブジェ)「FISH DANCE」の隣りで、以前はフィッシュホールと呼んでいたところ。いま話題のプラントハンター・西畠清順さんがTOOTH TOOTHと組んで作った、南国の珍しい植物に囲まれて食事やお茶を楽しめるスペースです。大きな吹き抜けがある温室、といった雰囲気ですが、温室独特のむっとする湿気はありません。とても爽やかです。

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 高さ10m以上あるヤシの木やトロピカルの観葉植物、不思議なカタチをした多肉植物やエアプランツのあいだに、席が設けられている。ただ単に熱帯雨林の樹木を集めたのではなく、乾燥地帯に生える植物も。地球という星の植物園、と呼べばいいのでしょうか、地域もアジア、アフリカ、中南米と広く世界から集められている。癒しより、驚き。イマジネーションが刺激され、精神が活性化する。緑の効用は奥深いんだなあ、と感嘆する。

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 三宮の国際会館11階にある「そらガーデン」。ここも西畠さんが手がけた庭園ですが、スペインのアンダルシア地方から運んできた樹齢500年というオリーブの巨木がある。この木の話はTV番組(たしか「情熱大陸」だったと思う)で紹介されたからご存知の方も多いでしょう。輸送の苦労、検疫の苦労、根付かせる苦労・・・人がやらないこと、誰もやれないことを成し遂げるのは並大抵の努力ではないと思う。

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 日本の植生と違う植物を持ち込むことには賛否両論あるでしょう。しかし近代ヨーロッパで始まった植物園の功績は、プラントハンターが命がけで収集してきた見たこともない植物を観るだけではなく、科学の発展や世界の多様性、さらには人間の知覚や意識の拡大にとても大きい影響を与えたことだと思います。世界中の情報が瞬時に入ってくる現代だからこそ、バーチャルではなく現実に見て触って想像を巡らせることの大切さが、より一層際立つように思います。

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2017年9月 1日 (金)

摩耶山に秋の気配

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 摩耶山の掬星台(きくせいだい)。手で星がすくえる(掬える)ほど星が近くきれいに見える展望台、という意味で名付けられた掬星台。有名な1,000万ドルの夜景と星空もきれいですが、晴れた昼間の眺望も見事です。ここからうちの家がよく見えます。そのずうーっと先は六甲アイランドと大阪梅田のビル街。さらに右へ目を移していくと、南港から堺、関空から紀伊水道、淡路島と見えてくる。右に目を転じれば、ポートアイランドに神戸空港、三宮と元町に和田岬や須磨の山々。残念ながら明石海峡大橋は山に隠れて見えませんが、これだけの絶景は全国を見回してもあまりない。

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 まだまだ暑いですが、もう9月です。晴れ渡って遠くまで見通しがきく日が増えてくる。山の上から見ると、空が青いと海も青いという真理がより深く実感できます。風も少し涼しくなり、赤とんぼも飛んでいる。それに美しい夕焼けも見られるようになる。わが家のベランダから摩耶山をシルエットにした夕空も撮ってみました。山上からの眺めの、ちょうど逆から見る風景です。街を見下ろした視線と、山を見上げる視線。それぞれ違った美しさがある。また風景を見るだけじゃなく、何事もいろんな角度から見ないとなかなか本質はわからないと思う。いや~説教臭くなってスミマセン。

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