« JUN TAMBAの鉄の彫刻 | トップページ | 世界報道写真展が指し示すもの »

2017年8月14日 (月)

文化財を戦火から守れ

Photo
 第二次世界大戦で京都や奈良が空襲に会わず、神社仏閣や古い街並みが残ったのは、米軍が文化財を保存するため爆撃対象から外したから。という話は小さいころから聞かせれていた。その話の根拠と思われる、日本において空爆すべきでない151ヵ所を挙げた「ウォーナー・リスト」を核に、文化財保護のために奔走した人々を追ったドキュメンタリー映画『ウォーナーの謎のリスト』を観ました。監督は金髙謙二さん。新藤兼人のお弟子さんだそうです。

Photo_4
 このリストを作ったラングドン・ウォーナーと協力した朝河寛一。世界に誇れる古書店街・神田神保町を空襲から守ったと言われるセルゲイ・エリセーエフ。全米の公文書館、図書館、美術館に残る資料をもとに30名に上る証言者が隠された史実を語る。
 毎年この時期になると、終戦秘話や原爆投下をテーマにした映画やテレビ番組がたくさん作られる。戦争の罪、生命の尊さ、あるいはヒロイズム。この映画はそれら軍人・政治家を主役とした作品とはちょっと違った視点で、文化財=人類共通の宝を戦火から守る学者たちの活動を追う。

Photo_5
 彼らの尽力がどこまで有効だったかは不明だ。だが、そんな意識を持てる人を生み出す教育、そんな発言が許される社会が、当時のアメリカにはすでにあったということ。敵国の文化を守れ!なんて当時の日本では考えられないでしょう。こんなところにも国の底力の差は現れていたのだ。
 戦後70年以上をかけて築き上げてきた、自由、人権、文化を大切にする今の社会。でも近ごろ少し様子が変わってきたのが気掛かりです。自由に発言でき、反対意見も認め、みんなで議論しながら物事を決める成熟した社会システムを、これからも守り続けていってほしいと願います。

|

« JUN TAMBAの鉄の彫刻 | トップページ | 世界報道写真展が指し示すもの »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/180264/65654165

この記事へのトラックバック一覧です: 文化財を戦火から守れ:

« JUN TAMBAの鉄の彫刻 | トップページ | 世界報道写真展が指し示すもの »