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2017年8月 7日 (月)

なんと緻密な!バベルの塔

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 旧約聖書「創世記」の有名なエピソードをテーマに、ブリューゲルが描いた名画『バベルの塔』。壮大かつ緻密。わずか横59.9×縦74.6cmの絵だけれども、その中に約1,400人(誰が数えたんだろう)の建設で働く職人たちがきわめて細密に描かれている。ロッテルダムのボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館から持ってきたブリューゲルの代表作。
 最近フランドル、ネーデルランドの美術がブームでしょうか、よく展覧会がありますね。余談ですが。

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 イタリアへ勉強に行ったときに見たローマのコロッセオをヒントにしたと言われる、この巨大な構造物。レンガや漆喰を使い、クレーンを駆使した16世紀ネーデルランドの建築技術を正確に伝えている。木材で足場を組んで上へ上へと天に向かっていく人間の情熱を正しく描写している。
 この画家の作品は、子供の遊びや農民の暮らしを克明に描写し、歴史資料としても重要な役割を果たしている。彼の観察力、描写力は他の追随を許さない。

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 聖書で言う。昔、人々が天まで届く塔を建設しようとした。しかしその野心が神の怒りを買い、統一の言葉を話していた人々の言語をバラバラにされた。意思疎通ができなくなった人々は散っていき、ついに塔は完成しなかった。
 そんな物語を最新の科学と技術を取り込んで表現する。神に対しては冒涜かもしれないけれど、当時のサイエンスの勝利を誇らしく感じていたのでしょう。

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 じつはブリューゲルはもっと若いころ、もう一枚の『バベルの塔』を描いている。その作品はサイズが4倍くらいあるが、存在感では圧倒的に負けている。バベルの物語を主役にした絵が、塔そのものを主役にした絵に進化しているのだ。単なる想像図から、情熱のシンボルを欲する人類の業を表現する哲学にまで至っている。いろんな見せる工夫が企てられた、この展覧会。必見ですよ。

「バベルの塔」展
2017年7月18日(火)~10月15日(日)
国立国際美術館

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