信州の、夏の、天の川
まわりには何もありません。真っ暗です。信州奈川の夜。だから星空がきれい。梅雨も明けたようで、天の川もこんなにきれいに見えます。
天の川で隔てられた織姫と彦星。一年に一度だけ会えると言い伝えられている七夕なのに、雨が降ったり空が雲に覆われたり、気の毒にも会えない年がよくある。そりゃそうだ、新暦の七夕はまだ梅雨時。それに都会では空が明るすぎて、小さい星の集合である天の川は光が弱すぎて見えません。
芭蕉が 『荒海や 佐渡に横たふ 天の河』 と詠んだ時代の空はもっと暗かったはず。天空一面にタテに横切る天の川がくっきりと見えていたに違いない。この句が詠まれたのは七夕も近い7月4日だそうだ。もちろん旧暦の話。奥の細道で歩いたその年は、新暦では8月18日らしい。晴れた夜空を見上げるのは、これからですね。
松本では民家の軒先や焦点のショーウインドーに七夕人形を飾る文化があります。きっと織姫と彦星の伝説から生まれたものでしょう。奈川では見たことがないので、松本市内に特有の習俗かもしれません。言わばお雛さまの七夕バージョン。折り紙のような簡易版から、本物の着物を子ども用ぐらいに小さくして着せる本格的なものまで、多様なカタチがある。専門の人形店もあるし、カルチャーセンターで七夕人形作りのワークショップまで開かれている。
そうそう、天の川を見に外へ出ると、ホタルが3~4匹飛んでいました。奈川の家でホタルを見たのは初めてです。いつもこんな時間は夕飯を食べたあと、お酒タイムになっているから外に出ることはない。下の川まですこし距離があるのに、まさかホタルなんて!思ってもみなかった。感激です。
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