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2017年6月 2日 (金)

恐怖とユーモアのベルギー美術

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 ベルギーの奇想。まず思い出すのはルネ・マグリットですよね。このアーティストの作品はすごく優秀なデザイナーの仕事のようなおもむきだ。お洒落なビジュアルアイデアを表現するリアルな描写力が目立つ。晴れと嵐。昼と夜。あちらとこちら。対立する概念をわざと並べ、既成の見方を揺さぶってくる。シュールレアリストの乾いたユーモア。これも20世紀の「奇想」と呼べるでしょう。

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 ベルギーは地理的にヨーロッパの中心にある。中世以降、強国同士が覇権を争う戦場になってきた歴史から、骸骨💀をモチーフにした作品が目立つ。19世紀後半のフェリシアン・ロップスの「舞踏会の死神」という作品。ジャポニスムの影響でしょうか、日本の着物のようなコスチュームで踊る女性は骸骨です。後ろにぼんやり見えるのが死神でしょう。不気味な絵だ。近代主義、科学万能時代に背を向ける反抗心も見てとれる。

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 骸骨をモチーフにしても、21世紀に入るとこうなるんだという作品。レオ・コーペルスの「ティンパニー」です。理科室の骨格標本(本物の骨じゃないでしょう)を天井から吊るし、ティンパニーにパンパンと打ち付けて音を出す。ここでは💀はもう恐れの対象ではありません。骨や死も医学的にも科学的にも解明され、ただ事実として淡々と受け止められている。
 ベルギーの奇想の系譜、これからどんな方向に向かうのでしょう。

ベルギー奇想の系譜展
2017年5月20日(土)~7月9日(日)
兵庫県立美術館

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