草の辞典
ふらりと立ち寄った本屋で目にして、パラパラとめくって即購入した本。その決め手って一体何なのでしょう? それは多分、心の片隅の小さなポケットのような部分に思わず触れて、「うん?これは?」と、取り出してじっくり眺めてみたくなるよう感覚でしょうか? 何せ手元に置きたくなるんですよね。iCloudにあるから、ネット上にあるからいいじゃん!では無く。
さて著者の「森乃おと」さんのメッセージを少し抜粋します。
『草の辞典』に登場した花の多くは雑草です。雑草というと、つまらない草、ありふれた草というイメージですが、こうして並んだ写真を見ていると、まるで宝石箱のようだと思いませんか?
思います!思います! シロツメグサやスミレ、コバンソウなど四季を通じて、どこにでも見かけられるような草花の、何と輝いていることでしょう。真剣に花の名前を調べる。調べたい!という場合には、正直少し不向きな辞典かもしれませんが、まずはそのとっかかりを与えてくれるという意味において、とても素敵な辞典だと思います。
私はベッドサイトにこの本を置いて、寝る前の僅かな時間に眺めたり、拾い読みをしたりしていますが、そんな時にふと昔大好きだった曲の一節をいつも思い出します。
“野に咲く花の、名前は知らな〜い。だけども野に咲く花が好き。”
“どの草にも名前があり、それを知ると自然はくっきりと見えて来ます。”と著者の言葉。
確かに! 名もない雑草は無いと言いますね。我が家のベランダでいつの間にか葉を茂らせた・・・実はこれ、今大流行の「コリアンダー」なんですが、その名を知らなければただの雑草にしか見えない?
季節の訪れ、変わり目を、懸命に生きる姿で私たちに教えてくれる草花たち。心に余裕があれば、草花を愛でようという気持ちがあれば、日々の営みはうんと楽しくなっていくのですね。
そうそう、辞典の中のパート2・花のこと葉の章にこんなこと葉を見つけました。
“別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。川端康成”
草花に込められた、秘められたこと葉の世界。様々な花言葉に加えて、草花を料理やお茶など生活に取り入れて楽しむ知恵もいっぱい詰まったオススメの辞典です。
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