ジョルジュ・ルオーの凄さを知る
あべのハルカス美術館で開催中の「マティスとルオー」展。予想以上に楽しめました。とくにジョルジュ・ルオーの展示が良かった。マティスについてはニースのマティス美術館やヴァンスのロザリオ礼拝堂まで足を運んだし、ほかにも国内外の美術館や展覧会でよく観ている。しかしルオーについては油絵の具を厚く塗り重ねたスタイルがなんとなく重苦しく感じられ、無意識のうちに避けていたのかもしれない。
今回は若き日の水彩やパステルの作品から、独自のスタイルを築き上げ宗教画家と呼ばれる晩年まで、約70点の作品を一気に観られてとても楽しかった。キリストやマグダラのマリアを描く現代のイコンのような作品からは、深い精神性と崇高な情熱がじかに伝わってくる。大きな感動を与えられました。「重苦しさ」なんてまったく感じず、ピュアな魂に対面できた喜びで胸がいっぱいになりました。
そして驚いたことに、ルオーの展示作品の半分以上はなんとパナソニック汐留ミュージアムの所蔵。こんなに充実したコレクションが日本国内にあったとは、まったく知りませんでした。この展覧会の後も、東京に行けば気軽にルオー作品に出会えるなんて素晴らしいこと。これも今回の発見の一つです。『マティスとルオー 友情の手紙』(みすず書房)刊行記念の展覧会でした。
友情50年の物語
マティスとルオー
2017年4月4日(火)~5月28日(日)
あべのハルカス美術館
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