ベルギー、幻想絵画の伝統
ヒエロニムス・ボス、ピーテル・ブリューゲル、ルネ・マグリット、ヤン・ファーブル・・・チラシにある名前を並べると、たしかにベルギーには不気味で夢があって不思議でシュールな作品を創造するアーティストが輩出している。フランドルの時代からアートの先進地のひとつだったベルギー。奇妙なイメージも受け入れる自由な風土だったのでしょうか。
それと商業が発達して、教会や王侯よりも富裕な商人が力を持った。だから伝統的な(中世的な)価値観から解放され、表現の自由度が増し人々もより面白い作品を期待したのでしょう。またヨーロッパの中心に位置し、たびたび戦場になった歴史とも深い関係があると思う。死を身近に感じ、ドクロや悪魔や怪物も現実の世界と同じレベルで存在していたのだ。
ポール・デルヴォー、ルネ・マグリットを経て現代のヤン・ファーブルやトマス・ルルイまで、なにか奇妙なのだ。ボスやブリューゲルの作品を動画にして見せてくれたが、これらを見ていて思ったのが、「ベルギーの奇想」って日本のアニメやゲームにすごくセンスが似ている。その昔に映像の技術があったなら、彼らはきっとアニメ作品や動く立体作品を創っただろう。おもしろい切り口の展覧会でした。
ベルギー奇想の系譜展
2017年5月20日(土)~7月9日(日)
兵庫県立美術館
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