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2017年3月 9日 (木)

ハッピーな騎士団長殺し

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 村上春樹の話題の新作「騎士団長殺し」。読んでいる途中に風邪をひき、2日間まったく進みませんでした。ハナミズはたれる。身体のふしぶしが痛む。ついウトウトする。しかも熱のせいか、村上ワールドから抜け出してきたような奇妙な出来事(たぶん夢でしょう)が、デジャブのごとく現れたり。宙に浮遊するような数日間でした。
 死んでいた2日間を除くと、あっという間に読んでしまうおもしろさ。ハルキ教の信者としては「早く先が読みたい」と「読み終わったときの寂しさ」のはざまで、いつものことですが苦悶するのです。今回はあいだに風邪が挟まったおかげで、一拍おいて楽しめたのは幸いとしましょう。

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 肖像画家を主人公にしたこのお話は、美術に限らず音楽も文学も、芸術家には同じ種類の産みの苦しみがあるのだなぁと感じさせる。自分自身のための創作と営業の作品。アイデアが舞い降りる瞬間と、どの時点で作品の完成とするかの決断。そのあたりがとてもおもしろい。
 そして今作は邪悪な人も出てこず、マイルドでハッピーな物語。もちろん怖さを感じたり、困惑したり、謎が謎を呼んだり。そんなミステリアスな世界は存分に展開される。しかし読み終わってとても穏やかな気分になる。風も完全に治っていました。
 ところで主人公の新たな創作スタイルを、私はフランシス・ベーコンの人物作品を思い浮かべながら読んでいましたが、さてどうでしょうか。

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