南極観測、60年の歴史
グランフロント大阪のLIXILギャラリーで、「南極建築 1957-2016」という展覧会が開かれている。60年前、1957年に初めて開設した昭和基地、これは日本初のプレファブ建築だったそうだ。厳しい自然、限られた時間、積み荷を運べる量の制約など、さまざまな困難を克服する知恵だったのでしょうね。いまでは昭和基地以外にもドームふじ基地、あすか基地、みずほ基地があり、建物も70棟を超えるという。
まだ小学生のころ、南極観測船「宗谷」のニュースはよく覚えている。その後「ふじ」、「しらせ(初代)」、「しらせ(2代目)」と観測船の大きさも性能も向上している。越冬隊員たちの装備もずいぶんよくなっていると思う。服装や靴、手袋なども展示されているが、気温マイナス40℃、風速40mのブリザードの中を活動するなんて考えられない。行方不明になり7年後に遺体で登見された隊員の話も紹介されていた。そんな過酷な環境に取り残されたカラフト犬のタロとジロは、ほんとうに良く生き延びられたものだ。
南極では電気が命だから、発電設備の充実に力を入れている。最近は太陽光発電装置も設置されているそうだ。ただし極地は太陽の位置が低いので、屋根の上ではなく壁面に取り付けても効率よく発電できるという。冬は日が昇らないけれど、夏は白夜で一日中発電できる。これもおもしろい。
初期の「探検家」とか「冒険者」のイメージから、着実に仕事をこなす有能な「研究者」や「調査員」のイメージに変わった越冬隊員の方々。極地ならではの研究成果をたくさんあげておられるようです。
ところで、南極点を示す標識が毎年付け替えられているってご存知ですか? 南極点はアメリカのアムンゼン・スコット基地内にあり、厚さ2,700mの氷床の上にある。この氷が1年に10mほど西に移動しているそうだ。だから毎年元旦に簡単な杭を打ってジオグラフィック・ポールという標識を付け替えているそうな。氷原には打たれた杭が点々と残っているので、もし南極点に行かれる機会がありましたら、ぜひ確認してきてくださいね。
南極建築 1957-2016
2016年12月9日~2017年2月21日 水曜定休
LIXILギャラリー
グランフロント大阪 南館タワーA12階
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