時間のタイムカプセル
金属パイプでできた鳥かごのような、地球儀のような、「六甲枝垂れ」という建造物。中には木造の塔が建っている。その内部は夏涼しく冬暖かい。エアコンなど一切使わず自然の風だけで空調する不思議な空間です。高い吹き抜けからさす光。周囲の板張りの壁。ここに入ってらせん階段を下りていくと、だんだん暗くなり、いつも胎内に戻っていくような感覚になる。
ここの天井(?)から吊り下げられたゴージャスなシャンデリア。八木良太の作品「Clock Tower」です。作者は枝垂れの内部を、時計塔の内部に入ったイメージがして、この作品のアイデアを思い付いたという。天からの光を受けキラキラと輝くこの作品。よく見ると何十本もの腕時計でできているのだ。アーティストはこれで何を伝えようとしているのだろうか。
時間の感覚は人それぞれに違う。同じ人でも年齢により、季節により、昼か夜かにより、その日の気分により、時の進み方は速かったり遅かったりさまざまだ。時計は時間のスピードに公平性と客観性を与えるための道具だ。特に腕時計はいつも身近にあって、個人的な時間の流れに秩序を与え、リアルな現実につなぎとめる役割がある。ここに吊るされた時計たちは、これを身につけていた何十人もの人々が過ごした時間を封じ込めたタイムカプセル。愛も憎しみも、喜びも悲しみも、みんなここにある。
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016
2016年9月14日(水)~11月23日(水・祝)
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